5 月2 日、福岡市教育委員会へALT の直接雇用を求めて団体交渉を要求!

5月 6, 2024

5月2日、私たちは福岡市と福岡市教育委員会に対して、福岡市が実施したALT派遣業者選定の入札=「ネイティブスピーカー(外国人英語指導講師)派遣業務に関する提案競技」によって職を奪われたALTの直接雇用を求めて、団体交渉を要求しました。

すでに、3月5日には福岡市教育委員会に対して、福岡市が実施していたALT派遣業者選定の入札によって、それまで福岡市立の小・中学校及び高校で働きていた98名のALTが職を失う可能性があるとして、ALTの直接雇用を求める「要望書」を提出していました。

そして、3月22日にその入札の結果が発表されたのですが、残念ながら私たちが危惧していた通り東ブロックの45名全員が突然職を奪われました。そのうちの何人かは慣れ親しんだ児童や生徒、学校に別れを告げ、近隣の学校や地域へ移動するなどして職をつなぐことは出来たと思われます。しかし、何人の方が職をつなぐことができたのか、どのようにして職をつなぐことができたのは全くわかりません。はっきりしているのは、ALTを雇用していた派遣会社も、派遣先であった福岡市教育委員会もその実態を全く把握してないということです。そして、誰もその責任を取っていないということです。

こうした許し難い状況に対して、一人のALTが立ち上がりました。

彼は、2010年から派遣会社の社員として福岡市のすべてのALTの採用に関わる業務に携わり、トレーニングなどを行ってきました。2015年からは自らも福岡市立高校でALTとして勤務し、福岡市の「国際教育 礎プラン」のプロジェクトリーダーを務め、福岡市教育委員会との定期会議に参加しました。同時に福岡市の小・中・高の英語のカリキュラムを作成したり、部活動支援員として英語コミュニケーション活動を指導したりしてきました。途中で派遣会社が変更になりましたが、勤務先は2015年から9年間も同じ高校でした。当然、生徒からも同僚からも、そして教頭や校長先生からもあつい信頼を受けていました。ところが、これだけの経歴がある「先生」が「入札」によって仕事を奪われたのです。彼は、突然失職したことに驚き、憤り、失望しましたが、ゼネラルユニオンへ加盟し、派遣社員としてではなく、直接雇用による復職を求めて闘う決意をしました。

彼が直接雇用による復職を求めるのには、十分な根拠があります。
第1に、先ほど述べた彼の十分すぎるほどの経歴です。勤務先であった高校の生徒も同僚も強く彼の復職を望んでいます。

第2に、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(派遣法)には、派遣労働者が3年を超えて同じ派遣先での就労を希望した場合は、派遣先は派遣元との合意のもとに直接雇用することができるとしていることです。

第3に、2005年「文部科学省初等中等教育局国際教育課長」から「各都道府県・指定都市教育委員会外国語教育担当課長」に出され「外国語指導助手の契約形態について(通知)」には、「優れたALTについては、正規教員としての採用を図るなど外国語の指導体制の充実に努めるようお願いします。」と記されていることです。
私たちは、福岡市議会議員の協力も得ながら、彼が直接雇用によって復職できるまで闘い続けます。

メンバーのコメント:
ゼネラルユニオン福岡オフィスのスタッフには、福岡市教育委員会との極めて重要な会合に至るまで、綿密な計画と準備をしていただいたことに心から感謝します。

初めてゼネラルユニオンと協働することになり、不安な気持ちで臨みました。しかし、彼らは、最初から最高のプロフェッショナリズムを発揮し、私の大義を推進することに真摯に取り組んでくれました。教育委員会の代表者たちに私の状況を巧みに説明し、彼らの明らかな情熱と相まって、会議の出席者全員に深い印象を残しました。彼らは驚くべき洞察力と熱意をもって語り、私の状況だけでなく、同じような困難に直面している福岡市で働く他のネイティブスピーカーの窮状についても徹底的に言及しました。

一瞬戸惑いを覚えることもありましたが、福岡オフィススタッフの揺るぎない献身と熱意ある主張は、私自身と教育者仲間のために正義を追求し続ける決意を新たにしました。