社会保険（協会けんぽ・私学共済）は、国民健康保険と比較して、加入者とその家族により手厚い医療保障を提供しています。
保険料の支払い方法に大きな違いがあります。社会保険では保険料を事業主と従業員で折半し、従業員負担は給与の4.92％で扶養家族全員をカバーできます。一方、国民健康保険では加入者が保険料を全額負担し、家族も個別に加入する必要があります。
社会保険の特徴的な給付として、傷病手当金があります。病気やけがで働けない場合、最長18ヶ月間にわたり給与の約3分の2が支給されます。また、出産手当金制度により、出産前98日間と出産後56日間、同様の給付が受けられます。これらの重要な所得保障は国民健康保険には存在しません。
高額医療費制度も利用しやすく設計されており、医療費の自己負担額が一定額を超えた場合の還付を受けやすい仕組みとなっています。また、加入手続きは事業主が担当し、産前産後休業中は保険料が免除されるなど、様々な場面で加入者の負担を軽減する制度となっています。
このように、社会保険は医療費の保障に加え、所得保障や育児支援など、従業員とその家族の生活を総合的に支える制度として、大きな役割を果たしています。
※詳しい給付内容や保険料の計算方法については、別表をご参照ください。