97万人が奪われている
厚生労働省の調査によれば、社会保険から違法に排除されている労働者は97万人。疑いのある違反事業所は15万カ所、全体の5.6%にのぼる。
これは一部の悪質事業者の問題ではない。日本の資本による大規模な組織的な法令違反である。
刑事罰があっても適用されない
健康保険法第208条、厚生年金保険法第102条は明確である。有資格労働者を加入させなかった事業主には懲役6カ月以下または罰金50万円以下の刑事罰。
しかし、厚生労働省によると97万人の被害者、15万カ所の違反事業所があっても、刑事訴追件数はゼロ。
法律は存在する。証拠もある。だが罰則は適用されない。
事業主にとっての「合理的判断」
社会保険料を逃れれば、労働者一人あたり年間数万円の利益。10年間逃げても、遡及はわずか2年分。残りは丸ごと事業主の懐に入る。
労働者は逆に自己負担分を一括請求される。これでは**「違反」ではなく「経営戦略」**である。
事業主の常套手口
① 労働時間を基準以下に抑える
② 従業員を個人事業主扱いにする
③ 複数事業所に分割する
計算された法令回避。労働者は老後の年金を失い、事業主は利益を得る。
国が動かぬなら、組合が動く
ゼネラルユニオンは20年以上にわたり社会保険未加入問題と闘い、直接交渉と法的手段で加入を実現してきた。
いま我々はさらに踏み込み、年金を奪った事業主に対して交渉と訴訟を開始する。
退職を迎える労働者から次々と発覚する年金記録の空白。生涯にわたる減額。加入以前に支払わざるを得なかった国民健康保険料、国民年金保険料との差額。これらは全て事業主の責任である。我々はこの損失を奪還する。
事業主諸君に告ぐ。いま違法に労働者を排除している事業所には即時加入を求める。過去に加入させなかった事業所には年金給付相当額と払い過ぎた健康保険・年金保険料の回収を求める。
この不当な行為を続ける事業主は、結局償いを免れない。
制度的欠陥という共犯
政府は制度が機能していないことを知りながら、行政指導という「お願い」に終始している。
これは執行の失敗ではなく、意図的な不作為である。労働者保護を装いながら、事業主に処罰を科さない制度設計。
我々は許さない
刑事罰に問われるべき違法行為が、単なる事務手続きとして扱われている。労働者は二度と取り戻せない老後の生活保障を失っている。
ゼネラルユニオンとともに、この組織的窃盗と闘おう。
労働者の老後を奪う者、それを看過する政府―我々はいずれをも許さない
