教育を守り、雇用を守ろう

10月 9, 2024

―北名古屋市のALT民間派遣計画に反対する―

北名古屋市教育委員会で働くALTたちのもとに、10月4日付で1通の手紙が届いた。「令和7年度のALTの配置体制に関するご報告」と題するこの手紙には、「行財政改革の一環として、令和7年度から派遣会社に委託する方法でALTを配置する方針を固めた」との趣旨が記載されていた。

そしてその最後の部分には「北名古屋市が決定した派遣会社に対しましては、北名古屋市で勤務しているALTの雇用を依頼しますので、希望される場合にはご相談ください。なお、雇用に関しては、派遣会社による審査がありますので、必ず雇用することをお約束するものではありませんので予めご了承ください。」と述べられていた。

北名古屋市はずっと、ALTを直接雇用し英語教育を行なってきた。ALTたちは北名古屋市の公立中学校・小学校で勤勉に勤務し、その多くが市内に住み、学校の中だけでなく地域社会でも保護者や生徒たちと交流し、こうしたことの全体がこの市の英語教育を支えてきた。

市はこれら全てを清算し、英語の授業時間だけ教師や生徒たちと時間を共有する民間派遣のALTを招くというのだ。

こうした選択が何をもたらすのか、ゼネラルユニオンはこれまで全国各地の教育現場で経験し見てきた。いくらかのお金の節約と引き換えに英語教育の劣化が進むのは必至である。

現在まで営々と北名古屋市の英語教育に携わってきたALTたちは、例え同市への派遣契約を結んだ派遣会社に雇用されたとしても、最低1年間は同市の学校で働くことは法的に不可能なのだ。現在の北名古屋市のALTたちの全員が、同市の学校現場から消えるのだ。

こうした深刻な事態に同僚ALTたちだけからではなく、日本人教師、保護者、市会議員などからの懸念の声が寄せられている。

問題は教育、すなわち未来に関わる事柄である。ゼネラルユニオンは北名古屋市の英語教育の財産を守り、その質を維持し、ALTたちの雇用と暮らしを守るために、可能な限り幅広い人々と連携して力を尽くす。