パワーハラスメント 第1回 身体的な攻撃

7月 9, 2026

今月の「職場におけるパワーハラスメント」の特集記事で紹介したように、パワーハラスメントには6つの類型があります。今回はその第1回として、「身体的な攻撃」が実際の職場でどのような形で現れるのか、そして組合がどのような支援を行えるのかをご紹介します。

身体的なハラスメントというと、管理職が部下の頭を叩いたり、何かを投げつけたりするような場面を思い浮かべるかもしれません。しかし、接客業などで働いた経験がある方であれば、身体的な暴力や脅迫は、むしろ顧客や利用者から向けられることも少なくないことをご存じでしょう。近年では、このような行為は「カスハラ(カスタマーハラスメント)」という言葉で広く知られるようになっています。

また、日本の法律では、「優越的な関係」は管理職と部下だけを指すものではありません。年齢や勤続年数、業務上の知識や経験、さらには同僚同士の力関係なども含まれます。私立学校では、生徒やその保護者が学校経営にとって重要な存在であることから、場合によっては教師よりも実質的に強い立場に置かれることもあり得ます。

現在、あるインターナショナルスクールで働く教員グループは、深刻な暴力の問題に直面しています。一部の生徒が教員に対して暴力をほのめかす発言を繰り返し、実際に暴力行為に及んだケースも発生しています。教員たちは管理職に繰り返し対応を求めてきましたが、示された対策は十分とは言えず、現場では「次は自分が被害を受けるのではないか」という不安が広がっています。十分な安全対策も、加害行為に対する適切な対応も講じられていないことに、教員たちは強い危機感を抱いています。

暴力は極めて重大な問題です。労働契約法第5条では、使用者は労働者が安全に働けるよう必要な配慮を行う義務を負っています。これは「安全配慮義務」と呼ばれ、事故や暴力が起きてから対応するだけでなく、あらかじめ危険を防止するための積極的な安全衛生対策を講じることが求められています。

このような考え方に基づき、組合はこの問題を単に「身体的な攻撃」や「ハラスメント」として捉えるだけではなく、「労働者が安全な職場環境で働く権利を守る」という観点から取り組んでいます。すでに会社に対して要求書を提出しており、今後の交渉の進展については改めてご報告します。


 「職場で高まる『パワハラ』の問題」
 (The Heat is ON! – Power Harassment in the Workplace)