ベンは、関西に複数の教室を持つ英会話スクールで働いていました。ある管理職からハラスメントを受けたことが原因で、うつ状態となり、回復のために2か月間休職し、カウンセリングを受けました。療養の結果、体調は改善し、主治医からは、精神的な回復を続けるためにいくつかの配慮を条件として職場復帰が可能であるとの判断が示されました。
ベンはその内容を会社に伝え、翌週送られてくる勤務表を待つよう指示されました。しかし、勤務表が届くと、以前ハラスメントを行った管理職が勤務する大阪の教室へ再び配置されていることを知り、大きな衝撃を受けました。この配置では再び精神的に追い詰められてしまうと考えたベンは、別の勤務地への変更を希望しました。会社はその要望をある程度受け入れましたが、今度は京都の教室へ通勤するよう指示しました。
しかし、京都までの通勤時間は片道1時間以上あり、しかもそれは交通機関が順調に動いている場合の話でした。主治医は、「通勤時間は短く抑えること」と、「勤務終了から翌日の勤務開始まで十分な休息時間を確保すること」が必要であると明確に診断書に記載していました。しかし、提示された勤務表では、その条件を満たすことは困難でした。
ベンは勤務表の変更を求めましたが、会社は「通勤時間は医師の示した条件の範囲内である」と主張し、変更には応じませんでした。ベンが「これは現実的には過度な通勤負担だ」と何度説明しても、会社は耳を貸そうとしませんでした。
そこでベンは、長時間の通勤と十分な休息が確保できない勤務体制について、何かできることはないかと労働組合に相談しました。組合は会社との交渉の中で、この組合員にとって合理的な勤務時間や通勤時間について話し合いを行いました。その結果、会社は勤務表を見直し、無理のない通勤時間で通える教室へ配置を変更するとともに、以前ハラスメントを行った管理職と顔を合わせる必要のない勤務体制へと改めました。ベンはその提案に納得し、安心して職場へ復帰することができました。
注: 「過大な要求」は、単に仕事量が多いことだけを指すものではありません。従業員の能力や経験に見合わない仕事を任せたり、十分な支援を与えないまま遂行を求めたりして、結果として失敗することが予想される状況に置くことも、「過大な要求」に該当する可能性があります。
会社と建設的に話し合い、より適切な労働条件を求める方法はあります。一人で抱え込まず、お困りの際はお気軽にご相談ください。
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リンク:
第1回:「身体的攻撃」
第2回:「心理的攻撃(マイクロマネジメント)」
