職場で高まる「パワハラ」の問題

7月 3, 2026

2022年、日本政府はパワーハラスメント防止に関する法制度を改正し、初めて「パワーハラスメント」を法律上明確に定義するとともに、企業に対して防止・相談・調査・解決のための体制整備を義務付けました。

この法改正によって、労働者がパワーハラスメントを訴える際の明確な基準が示されたこともあり、職場でのハラスメントに関する相談件数は大幅に増加しています。これは、多くの職場で依然として改善すべき課題が残されていることを示しています。

今月は「パワーハラスメント」をテーマに取り上げます。まずは、労働者が本来どのような保護を受ける権利を持っているのかを確認してみましょう。

まず問題を解決するためには、その問題を正しく理解することが大切です。

パワーハラスメントは、次の3つの要件を満たす行為とされています。

  1. 優越的な関係を背景として行われること(役職、経験年数、立場、身体的優位性など)
  2. 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動であること
  3. その結果、労働者の就業環境が害されること(精神的・身体的苦痛を与えるなど)

さらに、厚生労働省はパワーハラスメントを次の6つの類型に分類しています。

  1. 身体的な攻撃:暴行・傷害など
  2. 精神的な攻撃:脅迫、侮辱、人格を否定するような暴言など
  3. 人間関係からの切り離し:無視、仲間外れ、隔離など
  4. 過大な要求:明らかに遂行不可能な業務や、業務上不要な仕事を強要すること
  5. 過小な要求:能力や経験とかけ離れた単純作業しか与えない、または仕事を全く与えないこと
  6. 個の侵害:私生活や個人的な事項へ不当に立ち入ること

こうした問題に対応するため、厚生労働省はすべての事業者に対し、パワーハラスメント防止のための措置を講じることを義務付けています。

2022年以降、すべての職場では次のような対応が求められています。

  • パワーハラスメントを禁止する方針を明確にし、違反した場合の懲戒措置を周知すること
  • 社内の人事部門や外部機関などを通じた相談窓口を設置すること
  • ハラスメントの申告があった場合には、迅速かつ適切に事実調査を行い、調査の過程では関係者のプライバシーを守ること
  • 被害者への十分な配慮を行うとともに、必要に応じて加害者に対する適切な措置を講じること
  • ハラスメントを相談・申告したことを理由とする不利益な取扱いや報復を禁止すること

もっとも、このような制度が法律上整備されているからといって、すべての職場で適切に機能しているとは限りません。

会社がガイドラインに沿って形式的に規程を整備していても、実際にはハラスメントが十分に調査・解決されないケースも少なくありません。特に、人事部門(HR)への相談だけでは十分な対応が得られないことも多く、報復禁止のルールがあっても、安心して声を上げられない労働者が数多く存在しています。

ゼネラルユニオンは、「パワーハラスメント」という幅広い問題に向き合う難しさを理解しています。そのため、私たちは一つひとつの具体的な問題に着目し、改善可能な課題を明らかにしながら、職場環境を着実に改善していくことを目指しています。