「社会保険」と聞くと、多くの人は健康保険や毎月の給与から天引きされる保険料を思い浮かべるでしょう。
しかし、社会保険の中でも特に重要なのが厚生年金です。
もし、本来加入すべき厚生年金に会社が違法に加入させていなかった場合、その影響は「今」だけでは終わりません。将来受け取る年金額が、生涯にわたって少なくなってしまう可能性があります。
1か月の未加入も将来に影響します
厚生年金は、働いている間に積み重ねた加入期間や保険料をもとに、老後の年金額が決まる仕組みです。
つまり、適切に加入していた1か月1か月が、将来の生活を支える年金につながっています。
しかし、本来加入資格があるにもかかわらず会社が社会保険に加入させなかった場合、その期間は年金記録に空白として残ることになります。
その結果、老後に受け取る年金額が本来より少なくなってしまう可能性があります。
未払い賃金であれば比較的早い段階で気づくことができますが、年金の損失は何年、あるいは何十年も気づかれないことが珍しくありません。
多くの人は、年金記録を確認したときや退職後に年金を受け取り始めて初めて問題に気づきます。
その頃には、その影響は老後の生活全体に及ぶことになります。
なぜこのようなことが起きるのでしょうか
日本では、加入条件を満たす労働者を社会保険に加入させることは、会社の法律上の義務です。
それにもかかわらず、社会保険料の負担を避けるために、次のような方法で加入を逃れようとする会社が後を絶ちません。
- 加入基準をわずかに下回る労働時間で働かせる
- 労働者を個人事業主として扱う
- 雇用形態を操作して加入義務を回避する
- 加入資格があるにもかかわらず、社会保険に加入させない
こうした行為によって会社は保険料負担を減らすことができます。
しかし、その代償を払うのは労働者です。
本当に怖いのは「あとから分かる損失」
社会保険の未加入が深刻なのは、本当の被害額がすぐには分からないことです。
加入していなかった事実に気付いていても、それによって将来どれだけ年金が減るのかは、実際に年金を受け取る年齢にならなければ分からない場合が少なくありません。
その頃には、会社は長年にわたって保険料負担を免れ、労働者だけが減額された年金を受け取り続けることになります。
つまり、会社による違法行為の影響は、退職後も何十年にもわたって続く可能性があるのです。
ゼネラルユニオンは行動しています
ゼネラルユニオンは20年以上にわたり、本来社会保険に加入すべきだった労働者を支援してきました。
会社との交渉や行政への申立てを通じて、多くの労働者の加入を実現してきました。
しかし、それだけでは終わりません。
会社が責任を認めない場合には、法的措置も辞さない姿勢で取り組んでいます。
現在、ゼネラルユニオンは、加入資格があるにもかかわらず社会保険に加入させなかった会社に対し、裁判を進めています。
これらの裁判は、違法行為を行った会社の責任を問うだけでなく、会社の違法行為による損失を労働者だけが負担するべきではないという重要な問題にも取り組むものです。
これらの裁判は、全国の労働者にとっても大きな意味を持つものになると考えています。
退職してからでは遅いかもしれません
「長年働いているから大丈夫。」
そう思い込んでいる方も少なくありません。
しかし、本当に厚生年金へ加入できているかは、自分で確認することが大切です。
年金記録を一度確認してみてください。
もし、本来加入すべきだったのに社会保険へ加入していなかった可能性がある場合は、できるだけ早くご相談ください。
問題は、早く見つけるほど将来の年金を守れる可能性が高くなります。
年金は、あなたの将来の生活そのものです
社会保険への加入は、単なる事務手続きではありません。
会社が加入義務を果たさないことは、労働者の将来の生活を支える年金を減らしてしまう可能性があります。
ゼネラルユニオンは、すべての労働者が本来受け取るべき年金を受け取れる社会を目指しています。
年金は、毎月少しずつ積み重ねられていくものです。
その積み重ねを奪われれば、老後の安心もまた奪われてしまいます。
