概要
日本国内で約100万人近くの労働者が、本来加入資格があるにもかかわらず厚生年金から違法に排除され、受け取れるはずの年金を失っています。企業は、勤務時間の削減、雇用形態の偽装(業務委託・請負など)、そして意図的な未加入といった手口で負担を逃れ、大学でも同様の事例が見られます。政府による取り締まりは極めて弱く、問題は拡大していますが、ゼネラルユニオンは法的手段、直接交渉、そして社会的キャンペーンを通じて、労働者の将来を守るために闘い続けています。
最近の厚生労働省の発表によれば、本来加入資格のあるにもかかわらず厚生年金(厚生年金保険)に未加入の労働者は約97万人に上ります。国民年金保険料が全額自己負担であるのに対し、厚生年金保険料は事業主が半額を負担するため、多くの企業が負担逃れのために加入を避けているのが実態です。
政府は「9年間で半減した」と“進展”を強調しますが、資格のある労働者40人に1人が加入を拒まれている状況は進展ではなく重大な不正です。これは、労働者の将来を奪う行為に他なりません。
当組合の取り組みと立場
ゼネラルユニオンは2002年からこの問題を告発し続けてきました。未加入事例の申告、ホットライン運営、広範な啓発活動を行い、企業による加入逃れが横行していることを訴えてきました。今回、政府自身の統計がこれを裏付けましたが、実際の人数はさらに多いと私たちは見ています。
長年続く加入逃れの手口
- 所定労働時間を意図的に短く設定(例:週29.5時間契約)
- 勤務シフトを分割して時間を減らす
- 「業務委託」や「請負」などの名目で雇用契約を偽装
- 契約形態を変更して被保険者資格を回避
これらは偶然ではなく、企業が9.15%の事業主負担を回避するために計画的に行っている行為です。
2015年 東京地裁判決の事例
2015年、当組合はインタラック所属のALTの事案について、日本年金機構を被告として東京地方裁判所に提訴しました。契約上は週29.5時間となっていましたが、実際には週35時間勤務していることを立証し、裁判所は日本年金機構に対し当該労働者を厚生年金に加入させるよう命じました。
しかし、機構が加入させたのはその一人のみで、同様の状況にある数千人のALTについては一切対応しませんでした。こうした事例は派遣会社や英会話学校、大学など、業種を問わず繰り返されています。
行政の「指導」だけでは済まない
厚労省によれば、2025年3月時点で約15万社が未加入の疑いがあります。これは法令違反の事業所数ですが、実際に科される刑事罰(最長6か月の懲役または50万円以下の罰金)はほとんど適用されず、行政は「指導」にとどまっています。
過去の年金記録紛失問題のように、当初「小さな問題」とされたものが後に大規模不祥事に発展した例もあります。今回も同様に、公式統計は氷山の一角である可能性が高いのです。
当組合の具体的対応
当組合は「社会保険ホットライン」を運営し、
- 企業から「あなたは対象外」と言われた
- 突然勤務時間を減らされた
といった相談を受け付けています。加入資格を確認した場合、直接交渉・公表・法的手段を用いて加入を実現させます。
2005年には語学学校業界全体を対象にキャンペーンを展開し、大手企業に数百人の加入を認めさせました。また、大学業界でも週20時間以上勤務し要件を満たしている非常勤講師が未加入のケースを複数確認し、過去10年分の掛金を失わせた深刻な事例にも対応しています。
あなたが加入できる条件(主な基準)
- ほとんどの法人企業:所定労働時間が正社員の4分の3以上(約週30時間)
- 従業員51人以上の企業:週労働時間20時間以上かつ月額報酬8万8千円以上
最後に――行動を起こすのは今
資格があるのに厚生年金に加入していない場合、企業にあなたを加入させる権利があります。企業に負担をさせるのは当然のことです。退職や年金受給年齢になってから未加入に気づいても手遅れになることがあります。
加入状況を確認し、不安があれば当組合までご相談ください。あなたの将来を奪わせないために、行動を起こしましょう。
