サンドラさんの件
サンドラさん(仮名)は、6ヶ月前に「アシスタントマネージャー」に昇進したと会社から伝えられました。
その瞬間から、残業代が支払われなくなりました。
週55〜60時間働いているのに、基本給に加えて月額わずか1万5,000円の「管理職手当」がつくだけ。
私たちは彼女にいくつか質問しました。
採用や解雇の決定権はありますか?
→「いいえ、それは上司の仕事です」
勤務時間を自分で決められますか?
→「いいえ、他の人と同じく9時〜18時に出勤しています」
経営会議に参加していますか?
→「週1回のチームミーティングに出るだけです」
昇進によって給料はどれくらい増えましたか?
→「月に1万5,000円くらいです」
私たちの判断:
これは明らかに“名ばかり管理職”です。
サンドラさんは、昇進によって月に約8万円分の残業代を損していました。
会社に「管理職」と言われたからといって、残業代が不要になるとは限りません
企業が「あなたは管理職だから残業代は不要」と勝手に決めることはできません。
労働基準法第41条では、管理監督者に限り、残業・休日・休憩の規定から除外されることになっています。
しかし、会社がそう決めたからといって、それで済む話ではありません。
厳格な条件をすべて満たす必要があります。
本物の管理監督者”かを判断するための4つのチェックポイント
労働基準監督署では、次の4つのポイントすべてを満たした場合に限り、「管理監督者」として認めています。
① 経営判断に関わる実質的な権限があるか
- 採用・解雇・予算・経営戦略などに関与しているか
- チームの業務を日々管理しているだけでは該当しません
- 売上ノルマやプロジェクトの納期を管理するだけでは不十分です
② 勤務時間を自己裁量で決められるか
- 出勤・退勤を自分の判断で自由に設定できるか
- タイムカードの打刻、固定シフト、出退勤時間の指示がある場合はNG
- 選択制の勤務時間でも、会社が決めた枠から選ぶだけなら自己裁量とは言えません
③ 管理職に見合う給与が支払われているか
- 残業代が支払われない分、それを上回る給与が必要
- 月2万円程度の「管理職手当」だけでは全く足りません
- 残業代を計算した方が多くなるなら、誤った分類の可能性大です
④ 実態として経営層として扱われているか
- チームミーティングではなく、経営層の会議に出席しているか
- 重要な業務情報にアクセスできるか
- 上司の許可なしに業務判断ができるか
- 常に上司に細かく指示されている場合は、管理監督者とは言えません
企業がよくやりがちな間違い
「一部該当」は意味なし:4つすべてを満たして初めて「管理監督者」となります
肩書きで判断してはいけません:「マネージャー」「リーダー」「スーパーバイザー」などの呼称は関係ありません。重要なのは実態です
深夜割増は例外ではありません:管理監督者であっても、22時〜翌5時の勤務には25%の割増賃金が必要です。未払いは違法です
サンドラさんのようなケース、あなたにも心当たりは?
- 「チームリーダー」だけど採用・解雇権がない
- 「マネージャー」だけどタイムカードを打っている
- 「スーパーバイザー」だけど業務判断に上司の許可が必要
- 「管理職手当」はもらっているけど、金額は雀の涙
なぜ今すぐ行動すべきなのか
- 未払い残業代の請求には時効があります
- 待てば待つほど、取り戻せるお金が減っていきます
- 会社が自ら是正してくれることは、まずありません
自分が対象かどうか確認したい方は
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あなたには権利があります。
そして、当組合はその権利を守るために存在しています。
