「管理職だから残業代は出ない」って本当? それ、単なる「肩書きトリック」かもしれません。 

7月 6, 2025

サンドラさんの件 

サンドラさん(仮名)は、6ヶ月前に「アシスタントマネージャー」に昇進したと会社から伝えられました。 

その瞬間から、残業代が支払われなくなりました。 

週55〜60時間働いているのに、基本給に加えて月額わずか1万5,000円の「管理職手当」がつくだけ。 

私たちは彼女にいくつか質問しました。 

採用や解雇の決定権はありますか? 

 →「いいえ、それは上司の仕事です」 

勤務時間を自分で決められますか? 

 →「いいえ、他の人と同じく9時〜18時に出勤しています」 

経営会議に参加していますか? 

 →「週1回のチームミーティングに出るだけです」 

昇進によって給料はどれくらい増えましたか? 

 →「月に1万5,000円くらいです」 

私たちの判断: 

これは明らかに“名ばかり管理職”です。 

サンドラさんは、昇進によって月に約8万円分の残業代を損していました。 

会社に「管理職」と言われたからといって、残業代が不要になるとは限りません 

企業が「あなたは管理職だから残業代は不要」と勝手に決めることはできません。 

労働基準法第41条では、管理監督者に限り、残業・休日・休憩の規定から除外されることになっています。 

しかし、会社がそう決めたからといって、それで済む話ではありません。 

厳格な条件をすべて満たす必要があります。 

本物の管理監督者かを判断するための4つのチェックポイント 

労働基準監督署では、次の4つのポイントすべてを満たした場合に限り、「管理監督者」として認めています。 

経営判断に関わる実質的な権限があるか 

  • 採用・解雇・予算・経営戦略などに関与しているか 
  • チームの業務を日々管理しているだけでは該当しません 
  • 売上ノルマやプロジェクトの納期を管理するだけでは不十分です 

勤務時間を自己裁量で決められるか 

  • 出勤・退勤を自分の判断で自由に設定できるか 
  • タイムカードの打刻、固定シフト、出退勤時間の指示がある場合はNG 
  • 選択制の勤務時間でも、会社が決めた枠から選ぶだけなら自己裁量とは言えません 

管理職に見合う給与が支払われているか 

  • 残業代が支払われない分、それを上回る給与が必要 
  • 月2万円程度の「管理職手当」だけでは全く足りません 
  • 残業代を計算した方が多くなるなら、誤った分類の可能性大です 

実態として経営層として扱われているか 

  • チームミーティングではなく、経営層の会議に出席しているか 
  • 重要な業務情報にアクセスできるか 
  • 上司の許可なしに業務判断ができるか 
  • 常に上司に細かく指示されている場合は、管理監督者とは言えません 

企業がよくやりがちな間違い 

「一部該当」は意味なし:4つすべてを満たして初めて「管理監督者」となります 

肩書きで判断してはいけません:「マネージャー」「リーダー」「スーパーバイザー」などの呼称は関係ありません。重要なのは実態です 

深夜割増は例外ではありません:管理監督者であっても、22時〜翌5時の勤務には25%の割増賃金が必要です。未払いは違法です 

サンドラさんのようなケース、あなたにも心当たりは? 

  • 「チームリーダー」だけど採用・解雇権がない 
  • 「マネージャー」だけどタイムカードを打っている 
  • 「スーパーバイザー」だけど業務判断に上司の許可が必要 
  • 「管理職手当」はもらっているけど、金額は雀の涙 

なぜ今すぐ行動すべきなのか 

  • 未払い残業代の請求には時効があります 
  • 待てば待つほど、取り戻せるお金が減っていきます 
  • 会社が自ら是正してくれることは、まずありません 

自分が対象かどうか確認したい方は 

労働相談はこちら: genu.cc/consult 

組合への加入はこちら: genu.cc/join 

あなたには権利があります。 

そして、当組合はその権利を守るために存在しています。