Garyさん(仮名)は、将来も安心して働き続けるため、無期転換を申し込むことにしました。
数年間にわたり、ある学校で週1日勤務を続けてきたGaryさんは、無期転換の要件を満たしたことから、次回契約から無期労働契約へ転換したい旨を勤務先に申し出ました。
しかし、返ってきた回答は予想もしないものでした。
学校は無期転換を認めなかっただけでなく、「Garyさんは従業員ではなく、業務委託として契約している」と説明したのです。
この違いは非常に重要です。無期転換の権利は労働者に認められるものであり、業務委託には適用されません。 もし学校の主張が正しいのであれば、Garyさんには最初から無期転換を申し込む権利がなかったことになります。
Garyさんには、その説明に納得がいきませんでした。
それまで日本語版の契約書は、英語版をそのまま翻訳したものだと思い込み、特に内容を詳しく確認していませんでした。ところが改めて見直してみると、英語版には「Instructor」と記載されている一方、日本語版では「業務委託」とされていたのです。
さらに、実際の働き方を振り返ると、勤務日や勤務時間は決められ、授業で使用する教材は学校が用意し、学校のルールや指示に従って授業を行っていました。Garyさんにとっては、実態として「従業員」として働いているという認識でした。
何かの誤解ではないかと思い、改めて確認しましたが、学校は「無期転換は認めない」との立場を変えませんでした。さらに、2026年度は契約を更新しないことも通知してきました。
そこでGaryさんは、ゼネラルユニオンに相談しました。
ゼネラルユニオンでは、Garyさんの無期転換の権利だけでなく、そもそも労働法上の「労働者」に当たるのではないかという点についても検討しました。もし実態として雇用関係にあったのであれば、無期転換だけでなく、年次有給休暇や残業代など、本来受けられるはずだった権利についても確認する必要があります。
現在、ゼネラルユニオンは、Garyさんの未払い残業代や本来取得できたはずの年次有給休暇について学校に是正を求めています。これらを請求すること自体が、学校の「業務委託だった」という主張に異議を唱えることにつながります。今後は、Garyさんが労働法上の労働者であることの確認を求めるとともに、本来認められるべき権利の回復、そして必要に応じて無期労働契約での雇用継続を目指していきます。
Garyさんのケースは、もう一つ大切なことも教えてくれます。契約書が複数の言語で作成されている場合、それぞれの内容が同じとは限りません。実際に、英語版と日本語版で表現が異なっていたことが、この問題に気付くきっかけとなりました。契約書に署名する際には、両方の内容を確認し、不明な点があれば早めに相談することをおすすめします。
※プライバシー保護のため、氏名は仮名です。
自分は「業務委託」だから関係ない、と思っていませんか?
実際の働き方によっては、「労働者」と判断されることがあります。詳しくはこちらをご覧ください: https://www.tokyodev.com/articles/freedom-risk-and-protection-what-japan-s-freelance-act-really-means-for-tech-workers
