東日本大震災―JRは今すぐ、東北の鉄道全線を復旧させよ
政府とJRによる「震災便乗廃線」を許すな 東日本大震災直後に不通となっていた幾つかの線区は復旧し、東北新幹線と東北線の急ピッチの再開でヤマを越えたという報道も多い。しかし、JR八 戸・山田・大船渡・気仙沼・石巻線・常磐線や三陸鉄道など、太平洋沿岸は未だコマ切れで、進展も少なく、貫通の見通しは全く示されていない。 JR東日本は言う「街の再建がどう行なわれるかの計画かわからないので、元の所に線路だけ敷いても??」と。確かに、そうかもしれない。でも、道路や港湾はほんの少しずつでも復旧しつつあるのに比べ、同じ基礎的インフラである鉄道は、放置同然である。 東北を血管のようにつないできた鉄道は、震災以前から「赤字路線」と言われ、「廃線が嫌なら第三セクター」と、国とJRは、乗客や自治体に高負 担を強要してきた。【水害関連でも、全国で名松線・可部線・高千穂鉄道で、廃線か再開かの、地元住民との攻防が何年も続いている。】そして今、東北に集中 するワースト赤字線区がさらに被災した、として、「永遠の不通、いや廃線」としたいのがJRの本音であろう。 日本鉄道=新幹線の安全は神話か? さて未曾有の被害を生んだ震災の際、ねじ曲がった線路や車両の映像が目に焼きついたが、乗客と鉄道員が協力しあって脱出し、すぐさま避難するな ど、助かった例も多く報告されている。また、その時、約20編成走行中であった新幹線は転覆を免れ、すべて自動停止した。これをもって、政府主導の海外売 込みは、「原発より新幹線にシフトかな??」と観測される始末だ。 TGVに決定していた輸入方式を、台湾政府が台湾大震災を契機に、JR新幹線方式に切り替えた話は有名であり、機関車牽引【push & pull】でなく、電車方式の方が、震災時の制動が良いのか もしれない。でもこれは、JRが安全だという根拠にはならない。世界中で通勤電車のように、数分間隔で新幹線を走らせているのは日本だけであり、 ヨーロッパ・韓国・台湾、そして、問題の中国高速鉄道を含めて、1時間に2-3本のダイヤである。すなわち、日本製は、安全追及の結果でなく、何列車を ラッシュ運行できるかの経済性で、山手線と同様に、急加速・急制動可能な車両を投入してきたのである。東日本大震災での新幹線の無事こそが、奇跡そのもの であった。 安全で環境にやさしい、鉄道貨物輸送の復権を その新幹線も通勤電車も、停電になれば、まったく動けなかった。その一方、 震災後の、電気と石油がSTOPし、救援物資も食糧も被災地に届かな…