ECCは全講師を対象に「評価に基づく賃上げ」を提示しているが、ECC支部は「一律賃上げ最低額プラス評価に基づく賃上げ」を要求中である。
2015年以降ECC支部は毎年一律賃上げを要求し続けており、2017年を除いて毎年それを実現してきた。2017年には、ECCという大手英会話会社で講師には全く賃上げが行なわれなかった。
2018年は「時給15円一律賃上げ」を実現した。そしてこれは初めて、ストライキなしで実現されたのである。
それ以前には、ストライキ決行以前に賃上げ要求への回答が提示されたことは一度もなかったのだ。
賃金はECC支部組合員達にとって常に重要な問題であるのだが、今年は新しい問題への対処も迫られた年であった。会社側が無期雇用契約を申し込もうとする組合員に関して、無期雇用契約書に以前の有期雇用契約書にはなかった新しい条件を追加することで、これらの組合員に無期雇用契約の申し込みをやめさせようと謀った。
ECCはこの無期雇用契約書に「賃上げはない」、「定年退職年齢」などの文言を書き加える一方で、退職金は「なし」としたのである。
書き込まれた文言自身が違法なものでなくても、このように新しい労働条件を一方的に無期雇用契約書に書き加えることは、「有期雇用契約労働者の雇用の安定を目指す」という改正労働契約法の精神に背くものであるとゼネラルユニオンは考えている。
ECCは「無期雇用契約者には賃上げはない」とする理由として「有期契約時の労働条件を変更することはできないから」と言いながら、一方では「定年の設定」という労働条件変更を一方的に行なっているのだ。
組合に賃上げを要求しそれを勝ち取ることを会社がやめさせることはできない、ということを組合員は知っている。要求を作り、提出し、団体交渉を行なうことは憲法と労働組合法に保障された我々の権利なのだから。
また、従業員が無期雇用契約を申し込まないように会社がこそこそ動き回ることを組合員達は好まない。
定年問題に関するECCの言動は、ゼネラルユニオンの長い経験の中にあっても、「二枚舌」の最悪の例である。
ECCはこの定年の導入について「正社員にも定年があるから」という。
それはその通りである。ところで正社員には退職金もある。だがECCは「無期雇用契約を結んだ講師には退職金は全くない」と言うのである。
支部組合員が回答への諾否を投票で決める前の、最後の交渉は4月12日に行なわれる。これ以前に、ECCの態度に何らかの変化があるかどうか注視しよう。
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ベルリッツ支部員もECCと同様、4月12日に最終交渉を行なう。これまで会社側は、評価に基づく定期昇給以外はゼロ回答しか示していない。
ここ数年、ベルリッツ支部員は徐々に賃金を引き上げそして保証させることを実現してきた(常勤の講師は、賃金を維持しながら労働時間を減らすことができた)が、昨年の賃上げ凍結後の今年は、組合員は評価に基づく賃上げ以上の額を目指している。
ECCとは大きく異なり、ベルリッツ支部では改正労働法によって2018年から始まった無期雇用契約制度の形骸化を謀る動きに対処する必要はなかった。
そうではあるがこの支部でも、定年の引き上げ(厚生年金支給開始年齢ではなく)があるかどうかなどについても関心を払っている。
65歳になったベルリッツの講師は定年退職後再雇用されるが、退職前と同じ仕事をしても賃金は減額されている。
組合はこの露骨な賃金削減を止めさせることを目指している。
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4月12日、両社はそれぞれ組合員をどう処遇するのか、そして更に重要なこととして、組合員達は全員のより良い賃金と労働条件を目指してどう前進し続けるか――多くのことが明らかになるだろう。
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