大阪外語専門学校の常勤講師がストでリストラ粉砕

10月 2, 2018

そこで、組合員講師たちは、05年10月25日に、天満橋の校舎前公道で、労組ニュースの配布を行なった。管理職はビラを回収する一方、警察まで呼んだため、大混乱に陥った。そして当局は、労組宛ての抗議文まで送り付け「ビラ配布は、心身の発達過程にある学生の心情に刺激的動揺を与え、不信の念を抱かせ、本校の教育機能を阻害する」と、学生を見下したような決め付けまでしていた。

 

さらに06年1月、組合員である外国人非常勤講師2名が雇止め通知を受けた。ユニオンは2月20日に、大阪府労働委員会に「ビラまき妨害と雇い止めは労組法違反」だと申し立てた。だが法人は、経営法曹団で有名な竹林弁護士を雇い、徹底抗戦の構えをみせた。そして、労働委員会に提出された「法人側答弁書」には、驚くべき事実が書かれていた。「外国人講師の雇い止めは3名で少ないけれど、日本人非常勤講師を含めると、計29名を雇い止めしたので、労組への狙い撃ちや差別でなく、不当労働行為でもない」と。
しかし、これこそが大問題である。陰湿な非常勤の首切りを順次強行していたのであった。友好労組である「UNIONひごろ」の外語分会も、これを重視し、真相究明に立ち上がった。

そして、4月新学期開始直前、ユニオンの常勤講師全員に、「担当コマ増」が一斉に命令された。雇い止めする非常勤講師の仕事を常勤に押し付けたのであり、しかもその増加分は無給であった。とうとう全組合員が決意し、5月25日、8名の常勤講師が半日ストに突入し、数十コマの授業が吹っ飛んだ。
予告義務がないため、突然のストに管理職は右往左往したが、登校してきた生徒達は大喜びだった・「先生ストやってんの。ストって初めてや」と、正門前での異文化交流となった。
ベルが鳴り、学生達は教室に入れられたが、先生は来ない。その時、学生が作った紙飛行機が教室の窓から、玄関前のスト集会に飛来した。そこには「We Love You」との激励があった。その教室へ、藤野副校長が現れ「ゼネラルユニオンのビラにある首切りはウソだ、自分でやめていったのだ」と教壇で講釈したのである。もちろん、学生からは大ブーイングで、即座に、玄関にいる組合員に「先生。ユニオンがウソつき、と言ってるよ」との伝令がきた。

さらに、学校幹部たちは、翌日の職員朝礼で「組合員だけが反対したが、27名の日本人講師は円満に退職してくれた。こうしたユニオンのデタラメな行動は、立命館大でもあるらしい」と公言した。
これに最も抗議したのは「自分で退職した」と決めつけられた日本人の非常勤女性たちだった。そして実際、ゼネラルユニオンの労働委員会での証言をも宣言し、陳述書まで提出してくれた。

その直後、労働委員会から和解勧告があり、法人も不当労働行為を認め、受入れざるを得なくなった。協定書では、「労組が支配介入の不当労働行為だとした、5月25・26日の発言について、法人として、遺憾の意を表明する」と明記された。
また、解決金は、雇い止めされた組合員の生活補填や、カットされたボーナスの復元として、ゼネラルユニオンから、全組合員に配分されるなど、全面的勝利和解となった。また非常勤講師の決起も、翌07年まで闘いが継続され、労働委員会から労働審判に舞台を移し、これも勝利和解を実現することができた。

 

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