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組合側が提出した要請書の該当部分の抜粋
基発や両省の指導にもかかわらず、5年後の無期義務逃れの目的で、「2017年度末での雇止め【更新不可条項挿入】」、「雇用上限5年や半年クーリング設定」が多発し、さらに激増する危険性が大である。
① これらの雇用契約・就業規則の変更は18条違反であり、禁止すべきであり、両省から改めての緊急通達と該当法人への査察を行なうこと。
②2017度末の一斉雇止めは無期逃れの巻添えであり、禁止すべきである。
③無期化への転勤強制など報復を行わず、正社員として、20条の均等待遇や、賃金・諸手当・休暇などにおける同一労働同一賃金を保障すること。
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ゼネラルユニオンからの質問
「両省の指導や通達にもかかわらず、労働契約法の無期義務逃れの目的で、突然の雇用上限5年設定・半年間クーリング強行などの脱法行為が横行しています。東大・椙山女学園・樟蔭学園など、2017年度末での一斉雇い止めも多発しています。」
厚生労働省からの回答
「雇用主は、無期転換を避けることを目的として就業規則の変更を行なうことはできません。就業規則変更は、その労働者に及ぼす不利益や必要性について労組との交渉を通じてそれが合理的であることが認められた場合に、可能となります。
労働者保護を使命とする厚生労働省としては、無期転換を避ける目的で無期転換権利発生以前に雇い止めを行なうことは労働契約法に違反すると認識しています。これまで様々な形で無期転換ルールの周知活動を行なってきましたが、そうした違反事案を把握した場合には、都道府県労働局を通じて指導を行なっていきたい。」
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ゼネラルユニオンからの質問
「無期転換に関する脱法行為の具体的事例を厚生労働省は把握しておられますでしょうか。
厚生労働省や文部科学省のホームページにも『無期転換を逃れるための雇用上限設定やクーリングは違法であり、そうした事例があれば各地の労働局へ』と記載されています。それらについてどのように対処されどういう結果になったか、情報を公開しつつ、指導書などできる限りの行政指導をやって頂きたい。」
厚労省からの回答
「わかりました。各地の労働局とともに啓発と指導を行なっていきたい。これらの調査結果などは皆さんにお届けさせて頂きます。統計はとっていますが、この場ですぐには報告できません。5年上限設定やクーリング問題を把握している事例もあります。名古屋の椙山女学園や大阪の樟蔭学園の事例は既に、報道やインターネット上でこうしたことがあることを、把握済であります。」
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ゼネラルユニオンからの質問
「その2つの件は、100%脱法行為そのものです。他に理由もなく、労働契約法施行に合わせて雇用期間上限を設けたり6か月間の退職強要をしています。いずれの学園も『労働契約法は守らない。無期転換はしない。この法律は非常勤には適用されない』と理事会で決定しています。あまりにひどい、典型的な違法行為です。厚生労働省も文部科学省も、これが問題だと判断しない訳にはいかないでしょう。脱法行為が行なわれないように、本省としても積極的に取り組んで頂きたい。」
厚生労働省からの回答
「そのようにやって行きたい。確かに問題であり、違法の可能性があると考えられます。無期転換逃れを目的とする雇い止めが起こらないよう、本省としても法律を踏まえ、積極的にやっていきたい。
椙山女学園と樟蔭学園の件は了解しました。樟蔭学園の件は既に大阪労働局が取組みを始めており、本省としても労働局と連携して対応を行ないます。椙山女学園の件は、組合のほうで愛知労働局に持ち込んで頂いたうえで、連携していきたい。」
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ゼネラルユニオンからの質問
「『労働条件を下げないで無期転換を』が法律の筈ですが、定年制を新設したり変更したり、退職金や年休付与日数をリセットするような悪質な経営者もいます。本省として、通達などの方法で正しい理解の周知徹底を図るべきではないでしょうか。」
厚生労働省からの回答
「『労働条件に変更なく』が基本です。周知の件は了解しました。」
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