また高槻市の不当労働行為が認定される

Jun 26, 2017

加えて重要なことは、この命令書が、労働委員会における一連の調査を通じて明らかになった「高槻AET問題」全体の根幹をなす点―市とAET及びAETスーパーバイザーとの雇用関係―について、不当労働行為の認定とは直接の関係はないものであるにも関わらず、その結語において述べている点にもある。

命令書は言う。

「市とAETら及びSV(スーパーバイザー)との間には雇用関係の存在をうかがわせる『雇用契約書』が存在することに加え、労基署、職安及び大阪労働局の対応を勘案すれば、市とAETら及びSVとの間には雇用関係が成立していると解するのが自然である。(中略)市は、本命令が指摘した問題点及び労働関係行政諸機関の判断を真摯に受け止め、円満な労使関係の構築に努められたい」と。

この命令書が持つ意味は、改めての説明も不要であろう。

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ご存じの方もおられるだろうが、「高槻AET問題」に関連して高槻市長が大阪府労働委員会から謝罪と再発防止を約束する文書の手交を命じられるのは今回が初めてではない。

労働組合を嫌悪しかつ恐れる高槻市は2015年3月、市議会の檀上から、「組合の合法的活動」を列挙して、これを理由に組合を中傷し、組合員であるAET達の小学校卒業式への出席を禁じるという「蛮行・奇行」に出た。

2016年10月、これらは当然にも不当労働行為と認定された。

ところが高槻市は愚かにも、自制を求める声が上がる中でこれを不服として大阪府を相手取って命令取消を求める行政訴訟を起こした。

この裁判はこの7月13日をもって結審することになっており、8月には判決が出ると思われる。その裁判の模様はこの記事に掲載されている。見ての通り、高槻市の敗訴はほぼ確実だろう。

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まだある。上に引用した命令書も触れているが、2016年6月28日、「AETもAETスーパーバイザーも高槻市と雇用関係を持っていないのだから、茨木公共職業安定所が彼等の雇用保険加入資格を認めたのはおかしい。取り消すべき」との高槻市の訴えを大阪労働局は棄却し、AET及びAETスーパーバイザーと高槻市との間の雇用関係を認定する決定を行なった。

そして高槻市は、この決定に異議を唱えず、従って、行政訴訟提起の期限である2017年1月末にこの決定は確定した。つまり高槻市は、AET及びAETスーパーバイザーとの雇用関係を認めたのだ、きっと「しぶしぶ」だろうが。このことは、1994年以来20年以上に渡って高槻市が労働法を侵犯し続けてきたことを「自白」したことを意味する。
このことがいかに重大なことか、高槻市は近いうちに思い知ることになるだろう。誤りは謝罪し、与えた損害を償わねばならないのだ、法的にも倫理的にも。これは個人であろうが自治体であろうが国家であろうが、人間社会の通則である。

なお、これまで「高槻AET問題」対策のために高槻市が弁護士事務所に支払った報酬、即ち公金支出は約450万円に上る。市は市民に対して、この税金投入の意味について説明できるのか?

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今回の不当労働行為救済命令に対して高槻市はどうするのだろうか。またも行政訴訟に出て果てしない転落の道を進むのだろうか。
誤りを認め、正す以外に次の展望は見えようもないのだが。

法律違反をものともしない地方自治体をまともに近づける闘いは、未だその途上にある。

ゼネラルユニオンは命令交付後直ちに「見解」を発表した。

なお、今回の不当労働行為救済命令については各メディアでも報道された。

2017年6月14日朝刊各紙


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