2016年6月28日、大阪労働局は重ねて高槻市の主張を退け、高槻市・市教委とAETらとの間の雇用関係を認定した。
もちろん高槻市・市教委には、この決定に対して異議を唱える道があったのだが彼等は何も行なわず、越年と共にこの大阪労働局の決定は確定した。高槻市・市教委は、この決定を受け入れざるを得なかったのである。
1994年からずっと、姉妹都市のオーストラリア・トゥーンバ市から高槻市にAETが派遣されてきた。AET達はみんな市長と雇用契約を結び、これによって就労ビザを取得し、高槻市の公立学校で英語指導助手として活動してきた。
そしてずっと、有給休暇もなく、社会保険とも、雇用保険とも、労災保険とも無縁な状態に置かれてきた。また、給与明細さえ渡されていなかったし、源泉徴収されながら適切な年末調整もなされていなかった。
つまり、20年以上に渡って毎年税金を投入して行われてきた地方自治体の国際交流事業・教育事業が、その内実に労働基準法、健康保険法、厚生年金法、雇用保険法、労災保険法、所得税法など、多岐に渡る法律違反を含んでいたのであり、そのことを高槻市と市教委とが、潔くかしぶしぶかは別として、認めたのが現在の事態なのだ。
これは「ちょっとした不注意」などではない。広範囲に渡り、長年に及び、しかも国際的な広がりを持つ深刻な不祥事である。そして、不祥事の決着にはそれに相応したけじめが必要なことは言うまでもない。
その高槻市・市教委は、2014年にAETらが声を上げ組合に参加するとその全員の雇い止めを強行し、AET組合員の卒業式への出席すら拒否した。大阪府労働委員会は昨年10月14日付でこの卒業式からのAET組合員排除を不当労働行為とする救済命令を出したが、高槻市・市教委はこれに対抗し、市議会にまともな説明すら行なわないままに、この救済命令を違法とする行政訴訟を、大阪府を相手取って起こした。
上述した自らの長期・大規模な法違反について、未だその自覚も反省もない様子である。知らぬ顔で済ませようと、それができると、思っているのかも知れない。だがそれは、不可能である。我々がどこの場であれあくまで事実と道理とを訴え続けることは変わらないのだから、つまり、ゼネラルユニオンは「諦める」ことはしないのだから、早晩、然るべき結論が出るのは明らかである。
高槻市・市教委が、その時の傷を必要以上に深くしないためにも、現在の事態を正しく把握し、適切なけじめを準備することを我々は勧める。早いに越したことはない。
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