「金は払った。文句があるか」:アルティアセントラルの開き直り

11月 14, 2016

有給休暇は、資格を持つ労働者が自由に取得するのが基本でありその自由に一定の制約をかけるものであるから、その条件は厳格に満たされなければならない。

 

アルティアセントラルは、この条件を全く備えないまま長年に渡って当然のように、ALT達に「自由に取れる有給休暇は5日まで。残りは会社が作ったカレンダーに沿って有給休暇は取得するように。指定された休日以外に5日以上自分の都合で仕事を休めば、5日を越える部分は欠勤として扱い賃金をカットする」と告げ、そのように実行してきた。つまり違法に、5日を超える分の有給休暇は会社の指定した日に消化させてきたのだ。勤務年数が長くなって取得できる年次有給休暇の日数は増えても、ALT達が自由に取れる日数はずっと「5日だけ」だったのである。

 

この長年続いてきた違法行為はゼネラルユニオンが知ることとなり、組合はアルティアセントラルに対し、

1) 違法行為を即時中止すること

2) この違法行為によって全てのALTが長年に渡って有給休暇を自由に取得する権利が侵害されてきたのだから、全てのALTにその損害を償うこと

3) 違法に強制してきた有給休暇を全てのALTに返却し復活させること

を要求して交渉中である。

 

現時点でのアルティアセントラルの対応はあきれるしかない。

組合の指摘を受けて驚いた会社は、あわてて「正しい手続きを取った」体裁を必死に取り繕った。この手続きが本当に法が求める要件を満たしたものかどうかは早晩吟味することになる。

またその言い分は、違法行為を行なった者の開き直りでしかない。「確かに違法に有給休暇の取得日を会社が指定した。だが、これに反対を表明するALTはいなかったのだからALTは了解したのだ。それに、ともかく有給休暇分のお金は払っているし、5日を越える分をカットした賃金については、申し出があれば返却する」と言う。そして、「だから、ALTには何の損害も与えていない」と言うのである。「金は払った。文句があるか」と。法律は破ったが損害は与えていない、と。

 

最近アルティアセントラルから組合に届いた文章は、以下のように結ばれている。

「なお、当社は、貴組合の組合員である当社のALTまたは当社を退職されたALT個人が、貴組合を通して2015年度の計画年休の手続上の問題に関連して個別的な要求をされる場合は、改めて個別的な解決について検討させていただき考えでおりますことを、申し添えます」。

 

つまり、違法行為は長年やってきたが2015年度だけについては申し出があれば考える。そして、解決はあくまで個々人との間で「個別的に」行ない、組合は「取次役」としてのみ認める —- 組合と交渉して問題を解決する気はない。これがアルティアセントラルの最近の臨時取締役会の結論だと述べている。

 

この主張と態度が法と良識にかなうものなのかどうか、遠くないうちに明らかになるだろう。我々は、そのように行動する。

 

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