大阪府労働委員会が「AET講師更新拒否事件」で高槻市の不当労働行為を認定

Oct 17, 2016

そして、2015年3月、帰国を余儀なくされた講師達が卒業式に参加し、保護者や生徒達にお別れを言うことを恐れた市教委は、出席を禁止した。また市議会で「保護者の署名運動・労組集会参加・府労委申立・マスコミ報道が拒否した理由だ」と答弁した。さらに、市は「講師達はボランティアで労働者ではない」とも主張し始めたが、この突然始まった主張は厚労省から却下され、講師達の労働者としての地位は確定した。

トゥーンバ市は既に「AET計画の早期再開」を労組との団交で合意し、府労委では同市と労組とは和解したが、高槻市のみが逆に、府労委への申立を理由に未だAET計画再開を拒んでいる。

 

*2016年10月14日付大阪府労働委員会命令と、その中で違法と判断された高槻市の言動

以下、命令書参照。

命令:市の法違反につき、ユニオン宛に濱田市長名での謝罪文を手交すること

自治体の法違反であり、申立への報復【労働組合法第7条第4号違反】など、府労委としても稀な命令である。

認定された法違反:

11頁「これまで毎年、講師は卒業式に参加していたが、今回のみ拒否された」

12頁「当該AET達が、精神的苦痛を被ることは容易に推認でき、不利益である」

12頁「出席させなかった校長の対応は、市教委としての対応であったとみるのが相当」

15頁「卒業式への出席を認めなかったのに合理的理由はなく、ユニオンの組合活動への対応で、組合員であるが故の不利益扱いで、労組法7条1号の不当労働行為である」「組合活動を委縮させるもので、労組法7条3号の不当労働行為である」

15頁「組合員に対し契約更新拒否を行なわないこと等、を求めたユニオンによる不当労働行為申立を理由になされた不利益取扱で労組法7条4号違反の不当労働行為である」

16頁「市議会という公開の場において、ユニオンの組合活動について、正当な理由なく、具体的かつ合理的事実に基づくことなく、発言したものであるものであるから、ユニオンの組合活動を中傷したものと推認せざるをえない」

 

*記者会見と報道

この命令が送達された2016年10月17日に大阪府庁で記者会見が行われ、その後大阪府教育委員会への、高槻市教育委員会への是正指導を求める申し入れが行われた。

大阪府教育委員会への申し入れ書

なお、会見直後から主要紙デジタル版に記事が掲載された。

朝日デジタル

Sankei WEST (サンケイ)

YOMIURI ONLINE (読売

毎日新聞

The Mainichi (英字新聞

また、翌10月18日朝にはテレビのニュースでも報道された。

MBS News

 

*これから

今回の命令は姉妹都市トゥーンバ市にも、オーストラリアの現地メディアにも、また広く新旧のAET達にも伝えられる。

まだ闘いはさ中。「AET計画の早期再開」をめざすユニオンと市民の闘いは続く。

 

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