- 期限付き契約をしている講師には授業時間の10%短縮。ベルリッツには実にたくさんの種類の契約がある。例えば、週毎の授業時間数についても20コマ、35コマ、40コマ、40コマ以上の契約があって、しかも月給は固定給である。だから、給料は同じままで労働時間は短くなった。
これらはいかにして実現されたか
組合らしい闘いを通じて実現された。団結を堅持し、この武器を手放さなかったのだ。僅か数か月の間に組合員は約15名から50名以上に増加した。ストライキ権投票を行い、会社に通告を行った。会社との交渉期間中、我々はストライキ決行の可能性について議題に乗せ、交渉毎に期限を設定し交渉を進行させた。
そして、ベルリッツ組合員達は目前の団体交渉のことについて考えるだけではなく、先のことや組合をより強化することについても取り組んだ。チェックオフについての合意も実現した。この合意によって、組合費は毎月の給料から天引きされて会社から組合に送金されることになる。このことによって組合費の納入や組合への在籍が確かになるだけでなく、組合への加入がより容易になり、新任講師や非組合員の目には、組合は非常に信頼できるものとして映るのである。だから、我々はベルリッツで拡大し続けているのだ。
加えて勝ち取ったものは?
会社と合意したものは上述した2点とチェックオフだけではなかった。更に;
- 全従業員が行う授業に対する、残業あるいは契約外労働への給与の割増し。
- 社会保険への加入条件の緩和、特別有給休暇や病欠の取得条件の緩和。
- 懲戒処分以前に組合員の苦情申し立てがなされた場合にはその処分の実行を停止することを、苦情処理の手順に明記する。
- ストライキ通告についての合意。組合はストライキを行う11時間前には、必ず会社側へ通告を行う。こうしたことは組合を弱める、という意見が一部にあるが、われわれは基本的にこれを会社側からの「保証」だと見る。会社が我々のストライキを認識しこれに干渉しない、という保証である。
勝ち取れなかったものは何か?
我々が勝ち取れなかったものはあるだろうか? もちろんある。駆け引きとは「ギブ・アンド・テイク」であり、より大きな成果を勝ち取るにはなにがしかの譲歩は必要であるからだ。
だが、我々の組合員はとどのつまりはこう信じている。我々が得たものは信じるに足る強い合意であり、今後の会社との交渉の礎となるものだ、と。
この合意以前の時期まで遡って「準備時間」への不払いを補償させることはできなかったが、ぼとんどの組合員は、このことは勝ち取った継続的な賃上げと比べれば小さな譲歩に過ぎない、と評価した。
我々は契約講師達については授業の削減を実現したが、その中のいくらかが希望していた程の大幅賃上げは実現できなかった。だが、この課題はなくなったわけでも消えたわけでもなく、ゼネラルユニオンが今後の交渉で実現を目指すものなのである。
我々は、ベルリッツの組合員達にお祝いの言葉を送る。そして、人々に「あなた方もやれる」と伝えたい。ベルリッツの組合メンバーは、組織化の活動を精力的に展開することを通じて交渉の席で勝利を実現した経験を、喜んで皆さんに報告する。