違法な契約条項(パート2):キンダーキッズ/Kinder Kids

Feb 14, 2016

 

この記事では、キンダーキッズインターナショナルスクール で使用されている契約書の中の違法な条項を取り上げます。

東京と大阪に本社を持つキンダーキッズインターナショナルスクール はこう謳っています。
「私たちは、教育グローバル企業として広く多くの子どもたちに質の高い教育を受ける機会を提供し、国際感覚と高い英語力を力に、グローバル化が進む社会において、母国への誇りと自らへの自信を持って国際舞台で活躍できる子どもたちを一人でも多く輩出することを使命とします。」
では、この高邁な理想を掲げる学校は、そこで働く先生達を敬意を持って処遇しているのでしょうか? 答は「否」です。

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第15条 解雇
被用者が適切なビザを保持していない場合、職業人として不適切な場合、道徳に反する行為を行った場合、重大な違法行為を行った場合、不正行為を行った場合、就業規則を破った場合、顧客や雇用主に関する秘匿すべき情報を外部に漏らした場合、及び被用者の行動あるいは怠慢、または雇用主の名誉や事業における地位をおびやかすような活動への参加が雇用主あるいは顧客に金銭的損失あるいは損害を与えた場合には、雇用主はその被用者を、予告なしに解雇するものとする。

これは一見もっともに見えるかも知れません。この条項は、会社が多くの理由で従業員を解雇できることを認めています。しかし、この条項は違法なのです。なぜでしょうか。
労働基準法第20条(解雇の予告)の項はこう述べています。

(解雇の予告)
第二十条
使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない

法は、会社はそこで働く従業員を解雇したいと思えば、少なくとも30日前にその予告をするか、または30日分以上の賃金を払わねばならない、と定めているのです。
会社は、その従業員の中の誰かが嫌いだから(例えば、上役が部下の誰かが嫌いだから)というだけでその人を解雇することはできないのです。

ただし例外はあります。

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会社は労働基準監督署に対して、解雇を承認するように求めることは可能です。しかし、これは会社にとっては非常に困難で、労働基準監督署を納得させるだけの多くの証拠を示さなければなりません。

例えば、ある従業員が重大な事故を起こしていたり、争議に参加していたりした場合には、労働基準監督署が会社の求めを認めることもありえます。ただそれは、非常に深刻・重大であった場合にのみ限られたことです。

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以上で、キンダーキッズインターナショナルスクールの契約書の中の解雇に関する条項がなぜ違法であるのかは理解して頂いたと思います。

加えて、この違法な契約条項はとても怖いことが書いてありますから、読んだ多くの人を「これは法律に合ったものだ」と思わせてしまうのかも知れないのです。

でも、あなたはもう、契約書の中の条項にはウソもあるのだ、ということを理解なさったのですから、怖がることはないのです。

組合に参加し、「私は怖がってはいない」ことを会社に見せましょう。J

 

 

 

 

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