いかさまビジネス?:高槻市の「外国人騙し」の手口

6月 4, 2016

 

下のリンク先は、高槻市教育委員会とAETスーパーバイザーとの間で結ばれた「EMPLOYMENT AGREEMENT」である。

これを”A”とする。

なお、両者間の契約は1年契約で、毎年ほぼ同様の内容で10回以上連続して更新されてきた。

 

下のリンク先は、この「EMPLOYMENT AGREEMENT」の日本語訳だとして、高槻市教育委員会からAETスーパーバイザーに渡されたものである。

これを”B”とする。

 

下のリンク先は、Aの「EMPLOYMENT AGREEMENT」をゼネラルユニオンの方でごく普通に日本語に訳したものである。

これを”C”とする。

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この3つを見比べてみて頂きたい。英語が不得手な方は”B”と”C”とを見比べて頂きたい。違いと、”B”の際立った特徴がはっきりとお分かりになるだろう。

まず文書のタイトル。「EMPLOYMENT AGREEMENT」の日本語訳は誰が訳しても”C”のように「雇用契約書」であって、「業務に関する確認書」にはなりようがなかろう。

次に文末の署名欄。”A”では両者が、EMPLOYER、EMPLOYEEというそれぞれの肩書で署名を行っている。だが”B”にはその肩書そのものが消えている。

そして本文である。この文書は「EMPLOYMENT AGREEMENT」なのだから当然、本文の中には「EMPLOY」を含む言葉が度々登場する。当たり前のことであり、従って、”C”にも「雇用」、「被用」という訳語もそれらと同数ある。

だが、”B”には「雇用」も「被用」も皆無なのである!

この”B”はいったい何なのか? 誰がこの「翻訳」をやったのか?

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AETスーパーバイザーは数年前から、まだ組合との接点もない時期に、自分なりに「おかしいな」と思い始め、有給休暇などを雇用主である高槻市教育委員会に要求し始めていた。「私の権利ではないですか?」と。教育委員会は「これはマズイ」と思ったのだろう、用心深く「雇用」、「被用」という言葉を完璧に排除して”A”の普通の日本語訳(例えば”C”)とは別物の”B”を作成し、これを「EMPLOYMENT AGREEMENT」の日本語訳だとしてAETスーパーバイザーに渡したのである。なお、”A”でEMPLOYERとして署名している人物は、EMPLOYEEとして署名したAETスーパーバイザーを10年以上前に採用する時に面接を行い、ずっと彼の上司を務めてきた、英語が堪能な人物なのだ。「英語が苦手で」は通用しない。

AETスーパーバイザーには「EMPLOYMENT AGREEMENT」として安心させておいて、その一方、日本語の別文書を作って、必要な時には「ほら、雇用契約書ではない。本人にも渡し了解を得ている」と言う準備だったのだろう。この”A”と”B”とは、「AETスーパーバイザーとは雇用関係は存在しない」という高槻市教育委員会側から書証(証拠)として高槻市側から労働委員会と大阪労働局に提出されている。労働委員会も大阪労働局も、これで納得すると思ったのだろうか。

これはもう、いかさまビジネスまがいの、犯罪に近いとすら思える意図的で計画的な「外国人騙し」である。

労働委員会の調査の中で、我々はこれを指摘し高槻市側からの言及を待ったが、今日に至るまで一言の反論も言い訳もない。

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労働委員会の審理が進めば、近いうちに証人調べが行われる。宣誓して虚偽の証言をした証人には罰則が待っている。高槻市長なのか高槻市教育委員会教育長なのか、誰であれ高槻市側から出てくる証人は、例えばここで紹介した事実をどう説明するのだろうか。それ以外の、「AETは労働者ではなく有償ボランティア」など重大なウソや詭弁をどう説明するのだろうか。

罰則が待つ虚偽の証言を避けたいならば、正直に「やってしまいました」と述べる以外に道はない。法侵犯を認め、それを正す道を誓う以外にない。「結局外国人は言いなりにできる」という傲岸不遜な考えを前提にした、長年の騙しの手口はもう通用しないことを知るべきなのだ。

 

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