また、企業社会にあっても、資本がそ れこそ資本 (株主 )の利益を第一に事業展 開することが当たり前となっています。大手企業からは闘う労働組合が姿を消し、資本の意のままに労働者が切り刻まれて いるのです。職場では競争意識と長時間 労働が常態化し、連帯感の喪失は多くの 精神疾患を生んでいます。正社員になれ ない非正規労働者は世にあふれかえり、低賃金と雇用不安が蔓延しています。若 者は未来に希望を持てず、結婚できず、 次世代への再生産もままならないし、技 術の伝承も困難となっているのがシビアな現状ではないでしょうか。
しかし、こんな世の中だからこそ、労 働組合が前に出なければならないと思う のです。私たちは知恵と力を結集し、荒々しいストライキの闘いや、労働契約法を 使った法廷闘争など、創意工夫を凝らし た闘いで労働者の生きる権利、まともな 生活をする権利を勝ち取っていこうでは ありませんか。
安倍政権は、世界の良識の前に、一見 「慰安婦問題での歴史的な妥協」へと自 らを追い込まれたかのようにも見えます。 しかしその真意は、「過去を過去のもの にし未来に引き継がない」というもので あり、そのために韓国内で大きな反発が 起こっています。日本政府と日本の市民 が考えるべきことは、政府がすべての被 害者に対する謝罪と賠償を行ったうえで、 そのことも含めてさらに日本が明治以来 行ってきた「侵略の歴史を真摯に見つめ、そのことを忘れない」ことです。私たち 自身も、そのことを日本社会の中に根付 かせる取り組みが求められているのでは ないかと思います。
さて、16春闘が始まります。私たち の闘いはまだまだ不十分であり、相手企 業に規定されて闘いの水準の格差が大きくなっています。闘えるところはしっかり闘って闘いのモデルを作り、取り組み の弱い組合は他の組合の取り組みから大 いに学んでいきましょう! お互いの連 帯を一層強め、全労協で闘って良かったと思える一年にしていこうではありませ んか。
大阪全労協機関紙 2016年1月 www.osakazenrokyo.org