東京メトロ売店の販売員は正社員と契約社員Aと契約社員Bの3つの雇用形態に分かれています。同じ売店で同じ仕事をしているにもかかわらず労働条件には大きな格差があります。もっとも劣悪な処遇の契約社員Bの女性たちで2009年3月に結成したのが東部労組メトロコマース支部です。忌引き休暇、食事補助券の支給、福利厚生のホテル割引、社内報の配布など、非正規労働者への差別の多くを団体交渉で是正させ、均等な扱いを実現してきました。契約社員Bは何年働いても同じ時給でしたが、2010年4月から1年に10円ずつの「定期昇給」制度を導入させました。それでも契約社員Bはフルタイムで働いても月の手取りが13万円台という低賃金に抑えられています。
正社員は年齢や勤続年数とともに昇給していく仕組みがあり、住宅手当・家族手当などもついていますが、契約社員Bには一切ありません。賞与にも大きな格差があり、少なくとも年収で200万円以上の差がついていると思われます。正社員に支給される退職金は1円も出ません。それにもかかわらず定年退職の年齢だけが正社員と同じ65歳なのです。貯金も年金も少ない契約社員Bは退職してもたちまち路頭に迷わざるをえません。そこで昨年3月、同支部は定年制に反対して初めてのストライキに決起しました。その結果、瀬沼組合員の半年の雇用延長を勝ち取りました。しかし、肝心の賃金差別はなくなっていません。
同支部は今年5月1日のメーデーに再びストライキに立ち上がりました。東京メトロ本社前には280人の支援者が結集し、「非正規労働者への差別をなくせ」とシュプレヒコールをあげました。同時に、有期雇用の労働者への不合理な労働条件を禁止した昨年4月施行の改正労働契約法20条を根拠に正社員との賃金差額などを請求する全国初の裁判を起こしました。
私たちはこの裁判闘争に勝利することが、メトロコマースだけに限らず、すべての非正規労働者の生活と権利を確立することにつながるものとして全力で闘っています。他方、東部労組やメトロコマース支部の組合員だけの力で勝利することはできません。また、法廷内だけの闘いでは本当の勝利はもたらされません。正社員を含めたすべての働く人の団結と闘いこそが、会社を、裁判所を、そして社会を動かす原動力です。正規・非正規、男性・女性など、さまざまな違いを乗り越えて、今こそ非正規労働者の命と尊厳を守るためにともに声をあげ、ともに立ちあがりましょう。
そのために以下の非正規大集会を企画しました。メトロコマース支部組合員の闘いと生活を描き、大きな反響を呼んだドキュメンタリー映画『メトロレディーブルース』(2013年・26分・ビデオプレス制作)『続・メトロレディーブルース』(2014年・40分・ビデオプレス制作)を一挙上映します。また、第2部では「メトロレディーぶっちゃけ本音トーク」と題してメトロコマース支部組合員が思いのたけを語ります。聞き手は毎日新聞記者の東海林智(とうかいりん・さとし)さんです。会場ロビーには「非正規労働相談コーナー」も設ける予定です。皆さんの大結集を心よりお願いします。
■名称:11・22 がんばれメトロレディー!非正規大集会
■日時:2014年11月22日(土)14時~17時(開場13:30)
■場所:田町交通ビル6階ホール(JR田町駅「芝浦口」徒歩3分)
■参加費:無料(カンパ歓迎)
■主催:11・22 がんばれメトロレディー!非正規大集会実行委員会
■連絡先:全国一般東京東部労組(電話03-3604-5983・メールinfo(アットマーク)toburoso.org