ゼネラルユニオンGaba支部、セクシュアルハラスメント委員を任命

7月 23, 2014


レッスン中、オリヴィアには生徒の手がパンツをこすっている音が聞こえていたが、この生徒は、皮膚の症状のためにいつも体を掻いていたため、あまり気にも留めなかった。

「男性は、机にぴったりくっついて座って、下で何をしているか私には見えないようにしていました。レッスンが終わる数分前、彼が後ろに下がった時に、はっ きりと勃起しているのが見え、片方の手でそれをこすっているのが見えました。」そして、目が合った時、「彼は挑むように私を見たのです。」とオリヴィアは 言う。

もし、そのようなことが起こる前の日に、そのような状況ではどう対応するべきかと聞かれれば、ちゃんとわかっていただろうが、「その瞬間、ただ、凍り付い てしまったのです」とオリヴィアは言う。「頭が真っ白になって、本当にどうしていいかわからなかった。だから、ひたすらレッスンを続けました。」すると、 生徒は今度は両手を使い出した。

レッスンが終わった時、オリヴィアは、この生徒に、次の生徒さんが来るからと言って、荷物をまとめて帰らせなければならなかった。

「生徒が帰ると、泣き崩れました。」次のレッスンの間も泣いてばかりで、次の女性の生徒さんは二度とオリヴィアのレッスンは取らなかったということだ。

関東、関西、中部に39校のネットワークをもつ大手英会話学校Gabaだが、のマネジャーは、あまり力になってはくれなかった。インストラクターサポート リーダー(ISL)は、その日はすでに帰宅しており話が出来なかったため、メールで報告し、前任のISLと外国人男性であるエリアマネジャーにCCで控え を送信した。ISLとは、会社が下請け業者とみなしているGabaの普通の講師とは違って、アシスタントマネジャーの役割を果たすGabaの正社員で、大 半は、元Gabaの講師だった外国人だ。

ところが、会社は、この生徒をオリヴィアのスケジュールからブロックするでもなく、彼女に、調査の間、我慢するように言った。「しまいには、私が嘘をついていると言われているような気分になりました。」とオリヴィアは言う。

オリヴィアのケースに対応したエリアマネジャーは、取材のeメールに対し、「セクシュアルハラスメントの問題にコメントすることはできかねます」との回答し、質問には答えなかった。

会社は、一週間かけて他の講師から話を聞くなどした後、ようやくこの生徒がオリヴィアのレッスンを予約できないようにブロックした。しかし、彼は相変わら ず同じラーニングスタジオにレッスンに来ていたため、オリヴィアのブースの側を通る時、また、ロビーや駅で顔を合わせることもあり、一度は、外で彼女にぶ つかってきそうになったこともあった、とオリヴィアは言う。

さらに悪いことには、上司がオリヴィアに対して、あからさまに敵対的になったと言う。
「ISLは、私が苦情を言ったことに、本当に、本当に怒っていました。」そして、以後、彼は彼女に口をきくのを避けるようになった。オリヴィアはその後Gabaを辞めたが、事件に対する会社の対応も退職の一因だとしている。

Gabaで働いている、あるいは働いたことのある講師たちの間では、生徒による不適切な言動や、会社がそのような問題に対処するのに及び腰であることについて、話は尽きない。

現在Gabaで講師をしているエマの話では、講師の間では「スペースインベーダー」として知られている男性の生徒が数名いるのだとのこと。女性講師にくっ ついて座り、レッスンの間中、眼を覗き込んでくる生徒や、40分間、まったく目を合わさず、講師の胸ばかりじろじろ見ている生徒などだ。

講師の私生活や交際状況について、不適切な質問をする生徒もいる。現Gaba講師のカーリーも、いつも「本当にきれいだね。ボーイフレンドがすごくたくさんいるんだろう」などと言ってくる生徒がいると言う。

現講師のソフィアは、会社からレッスン料を払ってもらって来ている40代の生徒の話をしてくれた。彼はいつも「旦那さんが初めての彼氏だったのか?」といった個人的な質問をし、「今日はお肌がすべすべだね」などとお世辞を言ったりもする。

ソフィアは、この生徒に、生徒と講師の間の会話に適切な話題と不適切な話題の違いについて教えようとしたが、無駄に終わった。さらに、女性の上司が、それを彼女に代わってこの生徒に教えようともしたが、逆にデートに誘われたということだ。

ソフィアによると、この生徒については、日本人スタッフが個人的な質問はしないように要請した後も、状況はほとんど変わらず、相変わらず、女性講師に対しては「きみが必要だ」などといった発言をして、変な振る舞いをしている。

完全に変な方向に行き過ぎる生徒もいる。「気持ち悪い」としかいいようのない発言をするのだ。カーリーは、ある退職した男性が、2コマ連続のレッスンの前 半に地震がきた時、彼女を抱きしめようとしたことを思い出す。2コマ目の前の休憩時間に、飲み物はいらないか尋ねると、この男性は、「私に覆いかぶさるよ うにして目をまっすぐ見て、『きみのおっぱいが飲みたい』と言ったのです」とカーリーは言う。

それは「恐ろしい」経験だった、と彼女は続ける。「自分がモノであるかのような気分にさせられるのです。」
また、過去8年間にGabaの関東のラーニングスタジオ全部で、総計2万レッスンを受講したという、悪名高いクライアントも、講師の間で話題となってい る。女性講師のレッスンで、あらゆる機会をとらえては、ハイタッチ、握手をしていつまでも手を離さない、殴ってくれと言う、講師の足に触れる、ハグまで も、−とにかく体に触ろうとするのだ。

マネジャーはカーリーに、この生徒の言動は神経発達障害によるものだから心配しなくていいと言ったそうだ。
しかしある日、この生徒がカーリーに「きみにフェラチオしてほしい」と言った。カーリーは上司に苦情を申し立てたが、男性のISLの反応は「貴方はクライアントに甘すぎるんだと思いますよ」というものだった、とカーリーは言う。

マネジャーたちが動いたのは、この生徒がカーリーのフェイスブックに「異常な」メッセージを送るようになってからだった。

「文章自体はまったく意味をなしていませんでした」とカーリーは言う。「大半は、何が言いたいのかわからなかった。けれど、ボキャブラリーは性的で、暴力的な言葉もありました。」

生徒からのメッセージをプリントアウトしてマネジャーに見せてから、ようやく会社はこの生徒をカーリーのスケジュールからブロックしてくれたと言う。

ソフィアも、この生徒を7、80回教えたことがある。たいていは彼を制御することができた、と彼女は言いながらも、「なぜ、クライアントに対して攻撃的な態度をとり、ボディランゲージに極力気をつけながら、教えるかわりに抑えることを考えなければいけないの?」と言う。

男性講師は、自身のセクハラ体験について話したがらないようであるが、記者が話を聞いたGabaの講師6名全員が、同じような形で女性の生徒からセクハラを受けた男性の同僚を知っていた。

1985年に制定された男女雇用機会均等法は、1999年に改定され、セクシュアルハラスメントについての定義が盛り込まれた。厚生労働省のパンフレット 「職場におけるセクシュアルハラスメント対策について」によると、職場でのセクシュアルハラスメントには二つのタイプがある。

一つ目は「環境型セクシュアルハラスメント」であり、職場でのセクハラのために労働者の業務遂行能力に深刻な悪影響が及ぶものだ。例としては、性的な冗談、しつこく食事に誘う、不必要に体に触る、性的関係を強要するといったことだ。

二つ目は「対価型セクシュアルハラスメント」であり、労働者のセクハラへの対応により、報復を受けることだ。例えば、労働者が、上司のデートの誘いを断ったために降格されるといったことがある。

講師は、Gabaのセクハラへの対応には幅がありすぎ、事案があったラーニングスタジオの個々のマネジャーによって違ってくると言う。同情的で速やかに対応してくれるISLもいれば、講師の苦情を軽くあしらったり、無視するISLもいる。

オリヴィアによると、「直属のISLが誰かによって大きな差がある。」二度目にレッスン中に生徒がマスターベーションをする事案が起きた際には、直属の ISLにeメールを送り、加入していた労働組合にccを送ると、そのクライアントは即刻彼女のスケジュールからブロックされた。

私的な質問ばかり聞いてくる生徒について苦情を申し入れたら、担当の女性マネジャーから「それでもレッスンだし、お給料もらってるでしょう」と言われた、とソフィーは話す。「1500円でセクハラされなきゃならないなんて、ありえない。」

女性講師同士が、問題のある生徒について、お互い気をつけるよう知らせるために、その生徒のファイルに内緒の記号をつけるよう工夫しているGabaのラーニングスタジオもいくつかある。

Gabaのマネジャーは、講師の側に立証責任を負わせることが多く、不適切な行為をしている証拠をつかむべく、自分が外で聞くために、わざわざ再度その生徒を教えるよう圧力をかけられることもしばしばある、と講師たちは言う。

「おっぱい」発言をした生徒のケースでは、休憩時間中に、今起きたことを日本人カウンセラーに話したカーリーはこう言われたという。「それはひどいわ。マ ネジャーに話すべきだけれど、戻って2時間目のレッスンもしなくては。その生徒さんはあなたのレッスンを予約したんだから、基本、あなたはそうするしかな いのです。」
結局、カーリーは2時間目のレッスンをする羽目になった。

「しなければよかったと思うけれど、当時は私もまだ講師になってけっこう日が浅かったし。もちろん、そんなことが今起きたら、追い出してやります。」

カーリーによると、担当のISLが日本人マネジャーに伝え、日本人マネジャーから当該のクライアントに話をしたところ、生徒本人は「講師のおっぱいが飲み たい」と言ったことを認めはしたが、それは冗談であり、外国人は皆フレンドリーだからそんなことぐらい言っても大丈夫だと思ったとのことだった。

そんな話があった後でさえも、日本人マネジャーたちはカーリーにそのクライアントを再度教えてほしいと言ったとのことだ。レッスンに聞き耳を立てて、何か他に不適切な発言をしないか聞いてみるというのだ。

担当のISLが日本人マネジャーに反論し、カーリーのスケジュールからその生徒をブロックしてくれた。平気でその生徒をまた教えられるとは思えなかったの で、自分の担当ISLがきちんと対処してくれる人でよかった、とカーリーは言う。当該の生徒は、今もGabaに来ているということだ。

Gabaのマネジャーたちに、デートに誘ってきたクライアントを再度教えるよう圧力をかけられた講師は他にもいる。長期間Gabaに通っているクライアントを担当して、たった2度目のレッスンで、エマは40代後半の男性生徒にクリスマスの計画を尋ねた。

生徒は「家族と過ごすべきだけど、君とデートする方がいいな」と言い、レッスンの後で食事に行けるように、クリスマスイブにレッスンを入れると言い出した。

エマは、それは不適切だと生徒に伝え、自分は結婚していると嘘をついた。
エマが日本人カウンセラーに今回の問題を報告したところ、カウンセラーは重く受け止めてくれた。ところが、このカウンセラーがインフルエンザで休んでいる 間に、当該のクライアントがまたエマのレッスンを予約してしまった。エマは、別の日本人カウンセラーに話をしたが、このカウンセラーはどうでもよさそうな 感じで、エマに「この生徒さんを教えるのは平気?」と聞いた。

エマは「全然平気じゃないです。もう2度と教えたくない。」と答えたが、カウンセラーはレッスンをキャンセルするのは拒否し、「この生徒さんは前にもやってるんですよね。あなたのせいではなくて、誰かセクハラする相手が要るだけ。」と、エマを説得にかかった。

この生徒は他にも3人もの講師にセクハラをしていたとのことだ。

3度目のレッスンの始めに、この生徒は、レッスンを録音していいかと尋ねた。録音したいという生徒はよくいるので、許可したら、彼は、「君のきれいな声を聞きたいから」と言った。

レッスン中、生徒は彼女が実際に結婚している証拠をみせるよう求めてきた。エマは断り、講師に個人的な質問をするのは不適切だと再度伝えた。すると、生徒は急に言語能力を低下させ、彼女の英語は難しくてわからないと言うのだった。

このクライアントが4度目のレッスンを予約した後、エマは、上司から、外で聞いているから教えるようにと言われたという。レッスン中、不快なことがあったら出て来ていいと言われたが、エマは、そんなことならその日は仕事に行かないとまで言って断った。

幸いなことに、他の講師が、3度目のレッスン中にクライアントが不適切な発言をするのを聞いていたため、エマはこの生徒をブロックしてもらうことができた。が、当該の生徒は、今も彼女のラーニングスタジオに来ているとのことだ。

今も、この生徒が隣のブースでレッスンを受けていると落ち着かないし、エレベーターで一緒になったらどうしようと心配になるとエマは言う。「うっとうしいし、ほんとにバカみたい。会社は本当は講師のことなんかどうでもいいと思っているってことですよね。」

エイドリアン・リンギンとケイティ・マーティンは、ゼネラルユニオンGaba支部で初めて任命されたセクシャルハラスメント担当役員だ。(取材協力:ゼネラルユニオン)

Gabaでは、講師が「従業員」ではなく「下請けの自営業者」とされている講師の雇用形態が、マネジャーたちがセクシュアルハラスメントの問題に対処する のに腰が重い理由の一つだとソフィーは確信している。Gabaは講師を従業員だと思っていないから、できるだけ責任を負わないようにしていると言うのだ。

また、Gabaのマネジャーたちはクライアントに対峙するのを避けたがっていると考えている。エマも同意見で、マネジャーたちは「とにかく最大数の予約をとることしか考えていないのです。ただそれだけ。」と言う。
問題のある生徒を抱えている英会話学校はGabaだけではない。

「会社は問題を認めたがらないかもしれないけれど、生徒によるセクハラは日常的に起きています。」Novaのマルチメディアセンターで働いたことがあり、現在は高校で教えているエヴァが言う。

最低のセクハラ体験は、Novaのインターネット授業中に10代の男性がマスターベーションをした時のことだ。カメラを切って、技術職員を呼んだが、職員 は少年にやめるよう言い、「少年の母親に連絡してほしい」というエヴァの要請を笑ってかわし、レッスンを続けるよう説得した。後にエヴァが同僚から聞いた ところでは、少年は他の講師のレッスンでもマスターベーションをしていたそうだ。

しかし、Gabaの「マンツーマン」制度が、こういった悪習がはびこる機会を与えているのかもしれない。オリヴィアによると、1対1のレッスン形式であるために、「(生徒が)これを悪用する機会が増える」のだ。
また、Gabaのブースの配置にも一因がある、とソフィアは言う。Gabaでは、丸テーブルの4分の1を使って、講師と生徒が横並びに座る。狭いブースの 中では、講師と生徒は足が触れることがあるほどくっついて座ることになる。ベルリッツなど、日本の他の語学学校では、講師と生徒はテーブルを挟んで向かい 合わせに座る。

Gabaの講師たちは、セクシュアルハラスメントにどのように対応すればよいか、研修も受けていないと言う。あるGabaの講師は、ベルリッツの5日間の研修では、約1時間がセクシュアルハラスメントへの対応に割かれていたと言う。

また、多くのGabaの講師が、経済的な圧力により、教えたくないクライアントでも我慢して教えるように追い込まれている。講師は、教えたレッスンの数だ け賃金を支払われる。Gabaでビザを出してもらっている講師は、月額最低24万円が必要条件となっている。1レッスン1500円支払われる講師であれ ば、週40レッスンほど教えなければならない計算だ。

これは週7日働かないと難しいのでは、とエマは言う。Gabaにビザ発給を頼っている講師にとっては、セクハラをするクライアントを教えるのを拒否するなどというのは、とんでもない贅沢なのだ。

Gabaのシステムでは、顧客が習いたい講師を指名できるようになっており、クライアントの権力が強くなっている。クライアントは、講師の評価を武器に使 うこともできる。カーリーについていうと、Gabaで教えた6000コマのレッスンのうち、マイナス評価だったのは2コマ、いずれもデートを拒否した生徒 のものだった。マイナス評価は人事記録に残るので、あまり多くなると賃金カットや6ヶ月契約の非更新につながる恐れがある、とカーリーは言う。

桃山学院大学社会学部准教授の篠原千佳氏は、「男女雇用機会均等法では事業主にはセクシュアルハラスメントを防止する義務がある」と言う。さらに同法に は、正規労働者のみならず、パートタイマー、契約社員、派遣労働者を含むいわゆる非正規労働者についても規定が適用されることも明記されている。

Gabaの経営陣は、この問題に対処してほしいという組合の要求に抵抗を示している、とユニオンの指導部は言う。ゼネラルユニオンGaba支部長であり、 Gaba支部のセクハラ担当役員2名のうちの一人であるエイドリアン・リンギンによると、オリヴィアが団交の席で、マスターベーションをした生徒について の体験を会社の役員に話したが、Gabaのメインの交渉人は、セクハラがあったことさえも信じるかどうか返事を拒んだということだ。

リンギンが言うには、ISLが力になれるはずなのに、「財務目標が何よりも重視される体制に阻まれることがある。」「残念ながら、セクハラというのは、事 業主が従業員をサポートしたがらない職場で起きる問題なのだ。だから、ゼネラルユニオンはセクハラ担当役員を任命することにしたのだ。」

ユニオンのセクシュアルハラスメント担当役員の任務には、組合員からハラスメントの話を聴くこと、助言すること、この問題について会社との交渉で仲介役となること、などがある。

ユニオンによると、ユニオンの圧力により、最近、不適切な行為をするクライアントを講師のスケジュールからブロックするのを容易にするための手続き変更を Gabaに実施させ、スタッフがクライアントからのハラスメントを報告するための標準書式を導入させたとのことだ。ところが、Gabaはこういった変更点 について、講師に十分周知させることができていないとユニオンは言う。

「ゼネラルユニオンは、会社に、すべての講師 −今の講師、そして、新しく採用される講師たち全員− に対して、誠実でオープンであってほしいと願っている。クライアントからのハラスメント、その後の混乱、恐怖、どうしていいかわからない不安といった、こ れまで多くの講師が経験してきたことを、もう二度と誰も経験しなくていいように。」とリンギンは言う。

Gabaは、会社のポリシーとして、個別の事件についてコメントするのは断ったが、この問題を無視してきたことについては否定した。Eメールの質問状に対 して、Gabaのインストラクターサービス部門の広報担当者は、「Gabaはすべての利害関係者 −講師、スタッフ、クライアント− を、性的なものに限らず、あらゆる形のハラスメントから守るポリシーを備えております。利害関係者はいずれも会社の繁栄のためには重要不可欠な存在であ り、適切な制度と支援体制を確立するのは明らかに会社の利益になることです。」と回答している。

運悪くストーカー被害や暴力といった形のセクシュアルハラスメントに遭ったら、警察に届けるべきだし、その他の形のセクハラに遭った労働者は、まず会社の相談窓口に行くべきだと篠原准教授は言う。
「もし(会社が)まったく助けにならないようであれば、都道府県労働局の雇用均等室に相談するべきです」と同准教授は助言する。

各都道府県の労働局には「雇用均等室」が設置されており、紛争解決の援助を受けられる。助言や勧告といった簡単な援助であれば、事業主と労働者の話を聞いた上で、都道府県労働局長が出すことができる。
また、労働者側は、より時間はかかるが、弁護士、学術者やその他の専門家からなる調停会議による調停を申し立てることもできる。

融通の利かない官僚制度とたたかうよりも、セクハラをすることで知られている生徒がスケジュールに入ると、体調が悪いことにして休みをとる講師もいる。あ る講師は、「胸ばかりじろじろ見る奴を教えるのが耐えられない」時には、一日分の賃金を失っても病欠をとることが時々ある、と認めた。

カーリーにも、その決断は理解できる。
「教師の仕事の時もあるけど、他人にじろじろ見られるだけのモノになったような気がする時もある。」と彼女は言う。「毎日仕事に行くのが怖くなってきました。」

本記事中の講師名は仮名です。セクハラを体験した関東地方の講師で、本人あるいはラーニングセンターを特定されることを望まないため、仮名となっています。ご意見、ご要望は community@japantimes.co.jpまで。

 

(JAMES MCCROSTIE /THE JAPAN TIMESに特別寄稿) 2014年6月16日
セクハラ加害者はGabaの「マンツーマン」レッスン形式を利用する
生徒による虐待の拡大は、独特の授業方法と会社が講師を「下請け」として軽視していることによるものだと講師は言う。

 

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