*1年以上継続の「派遣」も違法
また、偽装委託の法違反と断定された後に、あわてて「派遣」に切り替える教委もある。しかし、違法派遣状態が既に1年以上なら、派遣も不可能である。また、3か月間のクーリングオフ?をして、翌年度も派遣を続けている教委すらある。でもこれに厚労省は「継続するための中断なら違法」と通達している。さらに、9か月授業導入で、第1・第3学期が半分しかなく、授業も講師の生活も大混乱している。 そして派遣法は、1年期限の最後に「派遣先【教委】の講師直接雇用義務」を明確に規定している。
*多くの教委が偽装委託を止め、「直接雇用へ移行」の成果拡大
この一年間、ゼネラルユニオンは、全国の各教委に警告と要求を発信し続け、各県労働局での申告や各省庁との交渉も全面展開してきた。おかげで、相当数の教委で、「現在の講師を直接雇用する」などの移行が進んでいる。法違反を繰返す派遣業者は、公教育から追放されつつある。ユニオンは来年度に、今後1年間のALT契約の変遷を把握したうえ、懲りない教委と、業者を絞込みます。そして、全教育現場から非正規や間接雇用をなくし、すべての前提を「まともな直接雇用」にし、授業の質と講師の権利のため、頑張る決意である。
*愛知労働局「東海市教委の偽装委託」を違法と断罪
東海市教委は、文科省調査にも「委託を見直す予定はない」とハレンチな回答をするなど、業者と癒着しきっている。そのためユニオンは、09年10月20日、違法状態にある県下16市教委と業者の最悪の見本として, 東海市教委を愛知労働局に訴えた。
愛知労働局は、授業の指揮や契約などの実態を立入り調査した結果、教委と業者間の契約書にある「委託」は虚偽で、「授業への指揮管理と責任は教委側にある」と断定した。すなわち、この委託は偽装で、実態は違法派遣にあたる、との結論となった。さらに、今後「当該労働者の雇用安定と、法遵守を行なえ」とし、市教委には「講師を直接雇用せよ」とも申し渡した。
この捜査の過程で、市教委と業者は口裏を合わせて「教諭とALTが、授業を10-15分ずつ交代でやれば、ティームティーチングと言われず、無視できる」と、本省通達無視を開始した。一人ずつ独立した授業を交代交代するという珍説でもあり、「もう一人は退室か」「教室内で講師間の対話禁止」と、笑うに笑えぬ脱法指南である。業者の捨て身の工作に巻き込まれ、他市の学校も大混乱に陥っている。
しかし、この反論は「労働局の実態判断」で退けられた。またそれ以前に、「教員免許なしの一人授業」は、学校教育法が許していない。
学校現場から、派遣法・職安法・学校教育法違反が一掃され、まともな直接雇用が定着するまで、あと一歩だ。ゼネラルユニオンは告発し、法遵守要求を、今後も続けていく。