「マンツーマン英会話」の派手な広告で有名なGABA社は、語学全国大手の中でも唯一、「約800名の外国人講師のほとんどを、雇用とせず、委託=一人親方」と偽装しており、そのため、「年休がない。健康保険に入れない」との相談が相次いでいた。
これらの改善を求めた、ゼネラルユニオンからの団交申入れを、当初会社は拒否しきれず、交渉が持たれてきたが、内容に関わると、「従業員でないから」と一切の要求を認めなかった。しかも会社は団交が決裂すると、「以前から団交ではなかった」と、遡って言い出し、ゼネラルユニオンはこれを「労組法7条違反=不誠実団交」として、労働委員会に不当労働行為申立を行なっていた。
労使の証人が激突!府労委が「労働者性ありの実態」を認定
府労委の審問廷は、授業の時間・教室・研修・採用・教材・報酬などを克明に審理したのち、「講師は労働者」との判断を明確にした。そして、「交渉は、団交そのもの。講師は労働者=従業員」との事実認定を下した。これは「講師とGABA社の雇用関係と従業員としての権利」の認定を求めた労組の主張通りとなった。
今回『契約書の形式を「委託」としながら、実際は、GABAが業務の管理と指揮をしている』と事実認定されたことにより、GABAの委託が「偽装委託=違法派遣」であることが確定し、派遣法・職安法違反の容疑も明白となってしまった。
労働委員会の命令骨子は以下の通りです。
『業務委託契約の外形をとっているからといって、労働者性が否定されるものではなく、労働者とは、雇用契約下と同程度の使用従属関係にある者、労務供給契約下にある者というべきである』 『インストラクターは、会社の組織に不可欠な労働力として組み込まれ、会社が一方的に決定した契約内容に基づいて、業務遂行上の会社の指揮・監督に従って、労務を提供し、その対価として報酬を受けていることから、会社との関係において労働者である』 詳しくは、大阪府労働委員会のホームページにも、公表されています。(平成20年(不当労働行為)第35号事件)命令要旨をご覧下さい。
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大阪府労働委員会が公表した命令文をそのまま紹介します。
(1) インストラクターは労働組合法上の労働者に当たるかについて
ア 会社とインストラクターとは外形的にみる限りにおいては、雇用契約関係ではなく、会社が主張するように業務委託契約関係の形態がとられているが、業務委託契約の外形をとっているからといって、委託契約者の労働者性が直ちに否定されるものではなく、インストラクターが労働組合法上の労働者であるかどうかについては、インストラクターと会社との間の業務に関する合意内容及び業務遂行の実態における、法的な従属関係を基礎づける諸要素の有無・程度等を総合考慮して、判断する必要がある。
イ インストラクターは、レッスン提供の申込みの自由を保障され、会社に対する専属性を有するものではないものの、会社の組織に必要不可欠な労働力として組み込まれ、会社が一方的に決定した契約内容に基づいて、業務遂行上の会社の指揮・監督に従って、会社業務のためにその労務を提供し、その対価として報酬を受け、業務の依頼に対する諾否の自由も一定程度、制約されているのであるから、会社との関係において労働組合法上の労働者であると認めるのが相当である。
(2) 協議における会社の対応について ア インストラクターは、会社との関係において労働組合法上の労働者であり、組合要求の団交事項は概ね労働条件又は処遇に関わる事項で、広く義務的団交事項に該当するとみることができる
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厚労省や各地の行政機関に、GABA法違反の被害の告発始まる
GABAの永年にわたる主張が,公式に完全否定された事により、誠実団交義務はもちろん、社会保険と雇用保険の加入義務、年休付与などの労基法などの違反なども同時に確定した。ゼネラルユニオンにも、教職員からの新たな相談や労組加盟が相次いでいる。一方、改めての法律判断が認定されたことにより、厚労省・労働局・職安・労基署・税務署・消費者センター・証券取引等監視委員会などへ、GABA社が次々と通報される事態も始まりつつある。 GABA社に対し、ゼネラルユニオンは、「このままでは、健保・失業保険・未払賃金立替払など一切のセーフティネットもない」との警告書を、GABAと持株会社の大和SMBCキャピタルに送付した。だが、両社は再び今後の団交を拒否し、「労働者性の判断を取消せ」と中央労働委員会にの再申立をするという、企業を危うくする道を選んでいる。
GABAは有価証券報告書・株式売出目論見書に、以下の「株主へのリスク」を明示してきたが??
「GABAに労組はない。労使関係は円満」との信じられない虚偽記載さえ発覚!!
GABA社は、このような違法認定を想定して、有価証券報告書に、以下の「株主へのリスク」を毎年明示してきた。ここに、その表示をそのまま転載するが、驚くことに、今回の「講師はGABA労働者」の行政命令後も、未だ、これを一切無視している。
GABA社は、ゼネラルユニオン労組の要求を受け、団体交渉を重ねてきた。「態度が無責任」と、労組から労働委員会に訴えられ、労組法違反まで命令されている。しかるに、同じ有価証券報告書には、驚くことに「GABAに労組はない」との、虚偽記載まで、未だに掲載されている。
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このGABA社が誓約してきたリスク表示と虚偽記載を、そのまま転載します。 『労基法は、労働者の労働条件の最低基準を定めた法律であり、同法の「労働者」の雇用主は、同法に基づく義務のほか、労働保険・社会保険・の保険料に関する負担義務、労働安全衛生法上の義務等を負うことになります。当社では、インストラクターと業務委託契約を締結し、クライアントにレッスンの提供を委託しております。当社は現在において、講師は労基法等の適用される「労働者」に該当しないものと考えております。しかしながら、今後の労基法等の適用される「労働者」に関する法令の改正、裁判例の変遷や、行政当局による対応の変化が生じた場合等には、これに応じた対応を迫られ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります』。
『労働組合の状況』
「労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円滑円満に推移しております」
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