大阪外語専門学校支部 リストラとコマ増に,ストで勝利かちとる

6月 12, 2006

 

有期労働者も勤続年数が長いのだが,ボーナスはなく,「金一封」のみであった.ところが,25周年の大盤振る舞いの直後なのに,今度は,学生数減を口実に,その数万円でさえ,「年末はカット,夏はなし」となった.そこで,組合員講師たちは05年10月25日に,校舎前公道で労組ニュースの配布を行なった.ところが管理職たちは,ビラを回収する一方,110番で警察さえ呼んだため,大混乱に陥った.そして当局から労組宛に脅迫文まで舞い込み,「ビラ配布は,心身の発達過程にある学生の心情に刺激的動揺を与え,不信の念を抱かせ,本校の教育機能を阻害する」と,決め付けていた.  

さらに06年1月,組合員である外国人非常勤講師2名が雇止め通知を受けた.ユニオンは2月20日に大阪府労働委員会に「ビラまき妨害と雇止めは,労組法違反」だと申立てをおこなった.しかし学校は,経営法曹団で有名な竹林弁護士を雇い,徹底抗戦の構えをみせた.労働委に提出された学校側答弁書に驚くべき事実が書かれていた.「外国人は少ないけれど,日本人非常勤講師を含めると,29名を雇止めした.よって,ゼネラルユニオンへの狙い撃ちではなく,不当労働行為でもない」と.でもこれこそが大問題である.わからないように,非常勤の首切りを順次強行していたのであった.友好労組である「UNIONひごろ」の外語分会も,これを重視し,真相究明に立ち上がった.

 

◆初めてのストに喝采.学生が不当労働行為も通報  

そして4月新学期開始直前,ゼネラルユニオンの常勤講師全員に対して,「担当コマ増」が一斉に命令された.首切りされた非常勤の仲間の仕事を押付けたのであり,しかも,その増加分は無給であった.とうとう全組合員が決意し,5月25日8名の外国人常勤講師が半日ストに突入し,数十コマの授業が吹っ飛んだ.予告義務がないため,突然のストに管理職は右往左往したが,登校してきた学生達は,大喜びだった.「先生ストやってんの!ストって初めてや!」っと,正門前で,ストの説明をめぐっての異文化交流となった.  

ベルが鳴り,学生は教室に入ったが,先生は来ない.学生が作った紙飛行機が組合員に飛来し,「We Love You」とある.そこへ藤野副校長が登場し,学生の前で「ゼネラルユニオンのビラにある29人首切りはウソだ.信用するな」と講釈したのである.もちろん大ブーイングで,即座に,玄関にいる組合員に「先生,ユニオンがウソつき,と言ってたヨ!」との伝令が来た.

さらに懲りずに,学校幹部たちは,翌日の朝礼で,日本人教職員を前に,「組合員だけが反対していて,27名の日本人非常勤講師は円満に退職してくれた」「こうした組合のデタラメな行動は立命館大学でもあるらしい」と公言した.「UNIONひごろ」も強い抗議を行なったが,最も激怒したのは「反対せず,自分で退職した」と決めつけられた日本人非常勤講師だった.そして実際,「労働委員会で証言する」とまで宣言し,陳述書を提出してくれた.

 

◆不当労働行為を認めさせ,勝利和解  

ここで労働委員会からの和解勧告があり,学校も不当労働行為を認め,受け入れざるを得なくなった.協定書では「労組が,支配介入としたの5月25・26日の発言について,学校法人として遺憾の意を表明する」ということが明記された.また,解決金は,雇止めされた組合員の生活補填や,カットされたボーナスの復元として,労組から全組合員に配分された.【一方的なコマ増問題は,再検討の結果,やや緩和されたが,元の状態にまではなっておらず,労使交渉が続いている.その結果によっては,第2派ストの可能性もある】

 

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