WHY立命館大学フランス語嘱託講師雇止め事件

8月 5, 2008

野崎さんは、嘱託講師になる前は、立命館では93年から非常勤講師としてフランス語を教えていたので、勤続はかれこれ15年、いや16年目である。嘱託講師は、5年契約なのだが、表向きは、1年契約を4回更新するというスタイルをとっている。嘱託講師制度が出来た頃、有期雇用の上限が1年だったので、脱法的にこのようなスタイルになった。

野崎さんの場合、特に問題もなく2回更新されたが、この3月に行われるはずだった3回目の更新が拒否された。 ことの起こりは、07年10月12日から21日にかけての、自主ゼミの学生と一緒に行ったチュニジア旅行。その際、16日から19日にかけて4日間、合計10コマ休講した(後日、10コマすべての補講をおこなっている)。

その後、この休講と旅行について、何度も「反省文」を書かされたり、長時間の説教をされたりしたあげく、12月21日、大学から次年度更新しない旨が通告された。更新拒絶の理由は「教育者としての適格性を欠く」というもの。

ユニオンからも要求書を送ったりはしていたが、立命館は交渉して話が進む相手ではないことから、野崎さんは、08年1月24日、京都地裁に地位保全の仮処分を申し立てた。そして、08年3月31日、地位保全の仮処分が決定された。

決定の内容は「本件雇止めはいわゆる期限の定めのない雇用契約の解雇と同様、債権者のこれまでと同様の生計の途を閉ざすという重大な結果をもたらすものであることを踏まえ」「本件雇止めは濫用であって、無効」ということで、「労働契約上の権利を有する地位にあることを仮に定める」というもの。 いま大学は地裁の決定にしたがって彼に給与の仮払いを行い、私学共済にも加入させているが、身分証の交付をいまなお拒否しているなど、セコイいやがらせは続いている。

この事件の焦点は、私用による1週間の休講が、それを全て補講をしても雇止めや解雇の合理的な理由になるのか、ということである。ご存知のように、特に専任教員は、1週間どころか、もっとたくさん休講しても、そして、その補講をしなくても、解雇どころか処分すらされない。非常勤講師だって、私用で1週間くらい休講しても、そしてその補講してもしなくても、そのことを理由に雇止めになったという話は聞かない。

そのことが良いか悪いかは別として、他の人は処分すらされない理由でもって、野崎さんだけを雇止めにするのはさすがに難しいというのが、裁判所の判断である。

仮処分で勝てば、本訴ではほぼ必ず勝つそうである。 非正規が立命に裁判で勝つというのは、知る限り始めてのことでもあり、今まで泣いてきた人、今泣いている人の分も思いっきり勝って欲しい。みなさんのご支援よろしくお願いします! 参考:08年5月7日テレビ大阪のニュース番組「働クライシス」で紹介されました.以下のリンクから動画が見られます: http://www.generalunion.org/rits/news/352

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