日系派遣労働者「社会保険ー集団加入争議」勝利。ークボタ専属工場での「まともな直接雇用」実現へ

Oct 18, 2009

 年休・労災・社宅等の多くの要求が結集され、大衆団交も貫徹したが、会社は要求拒絶を繰り返した。特に、社会保険加入には抵抗し、やむなく労組は、「確認請求」の申請を社会保険事務所に連発した。もちろん、会社の違法性が認められ、行政の職権で社会保険加入が命令された。

ところが、会社は申請した本人達のみを加入させるだけでも認められた。でも、この過去の労働者負担分掛金は、労基法の規定で、給与から控除出来ないのだ。本人の掛金納入もないまま、会社はやむなく、全組合員の労使掛金総額を、社会保険事務所宛に立替納入させられこととなった。

 この頃より労働者の間で、「ゼネラルユニオンに加盟すれば社会保険に加入できる。」との情報が飛交い、労組加盟と確認請求が数十名にも急増した。だが、会社は、組合員らを被告にして「立替保険料を支払え」との訴えまで、大阪地裁におこした。

しかし労組はひるまず、大阪府社会保険事務局や厚労省本省に、「大量の確認請求を受理するなら、全社加入への指導が当然」と要求した。全社加入となると、会社は億単位の追加払いが必要になる。

労組の粘り強い交渉が効を奏し、大阪社会保険事務局は「全社加入の指導」を決定した。 ここで、会社から「組合員の諸要求を受け止め、組合員を訴えた裁判を撤回する」との提案があり、その慰謝料でもある解決金は、会社が立替えた全組合員の掛金をも上回る総額となったため、労組勝利での解決が実現した。

 一方、組合員の半数は、クボタの専属工場に派遣されてきたが、昨年来の派遣切りで、一斉首切りに見舞われている。だが、大阪労働局は、この派遣元会社とクボタ専属工場との契約を「偽装請負」と認定し、違法派遣が既に何年も経過してきたことから、「直接雇用」を勧告した。

派遣先は「クボタの仕事が戻り次第、優先的に直接雇用する」との念書を労組に提出した。が、未だ、クボタの動向如何で、時期や雇用条件は定かでない。今後、皆の力を合わせ、「まともな直接」を、早急に実現する、第2ラウンドが待っている。

 派遣労働者が社会保険加入を求め、いや、社会保険の権利を武器とした争議に完全勝利した。次は派遣先での直接雇用だ。全港湾大阪支部のクボタ争議と連帯しつつ、ゼネラルユニオン日系労働者たちの闘いは続く。

 

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