友好労組・仲間のみなさんへ
松下電器プラズマディスプレイの労働者吉岡力(つとむ)さんは、松下電器PDPの正社員の半分の賃金、一切の社会保険の未加入などの偽装請負を告発した。卑劣な松下電器PDPは、吉岡さんを期間工として「直接雇用」したかにみせかけ、その間陰湿ないじめを繰り返したあげく、わずか5ヶ月後には「契約期間満了」との理由で不当に解雇してきた。 この4月25日、大阪高裁第8民事部は、松下電器PDPの偽装請負を断罪した。すなわち、松下電器PDPと請負会社と吉岡力さんの関係は労働者供給契約であり、職業安定法44条(労働者供給事業の禁止)と労働基準法6条(中間搾取の禁止)に反し、民法90条の公序に反するとし、松下電器PDPと吉岡さんの間には、実際の労働契約(黙示の契約)関係があったこと。契約更新拒否は解雇権の濫用とし毎月の賃金を2006年1月に翻り全て支払う事を命じるとともに、吉岡さんが期間工として直接雇用された以降、配置転換で単独の作業部屋に隔離されたことについて、「松下側が内部告発などへの報復という不当な動機や目的から命じた」と踏み込んだ画期的な認定を下し、解雇も違法とし慰謝料を認めた。 6月3日、全労協・全労連が主催する「松下プラズマ高裁判決を検討する『6.3院内集会』」が開催された。松下プラズマの闘いは、全国の派遣労働者、偽装請負との闘いに大きな影響を与えています。 なんとしても勝利させなければなりません。 私たちは、この大阪高等裁判所4月25日松下PDP事件判決を断固支持します。 偽装請負や派遣法違反の中で苦しんでいる多くの労働者のために、この判決支持の運動を拡げていきましょう。 同時に、私たちは、松下PDPを徹底的に糾弾するために、松下プラズマ製品の不買運動を呼びかけます。また、すべての労働組合の仲間たちに、ナショナルセンターの枠を超えて、この不買運動に参加するよう心から呼びかけます。
大阪高等裁判所4月25日松下PDP事件判決への支持表明と松下プラズマディスプレイに対する不買運動の決議
この4月25日、大阪高等裁判所は、松下電器PDPの偽装請負を断罪し、松下電器PDPは職業安定法44条(労働者供給事業の禁止)と労働基準法6条(中間搾取の禁止)に違反していること、また契約更新拒否は解雇権の濫用とし毎月の賃金支払を命じるとともに、吉岡さんが期間工として直接雇用された05年8月以降、配置転換で単独の作業部屋に隔離されたことについて、「松下側が内部告発などへの報復という不当な動機や目的から命じた」と踏み込んだ画期的な認定を下しました。 松下プラズマディスプレイ株式会社(以下「松下プラズマ」という)は、プラズマパネルでは世界1位のシェアを占め、パナソニックのテレビを生産しています。 松下プラズマの大阪・茨木工場で、「派遣労働者」として働いていた吉岡力さんは、鉛を使う工程で松下プラズマの正社員2人と働いていました。2004年のあるとき、松下プラズマの労働安全衛生担当者は「お前たち、もうこの仕事しなくてもいいから、後は派遣の奴にやらしとけ」と松下プラズマの社員2名を作業から外しました。それは、健康診断で血中の鉛の数値が危険、とされたからです。その後も派遣労働者に健康診断はなく、吉岡さんは作業を続けるしかありませんでした。 ところで、松下プラズマの社員が吉岡さんを直接、指揮・命令するのは派遣労働者の場合にだけ許されるのですが、松下プラズマが吉岡さんを使用していたのは派遣法に基づく合法的な派遣ではなく、職業安定法第44条に違反する偽装請負でした。 吉岡さんはこの働き方に疑問を感じ、地域の労働組合に加入するとともに、2005年5月、大阪労働局に対して松下プラズマの偽装請負について、法違反を是正し、会社が直接雇用する方法で改善するよう求めて告発しました。 吉岡さんはその後、労働局の指導で一旦は松下プラズマに期間工として直接雇用されましたが、会社は広い資材置き場にテントを一つだけ設置し、吉岡さんを隔離した上に、「あってもなくてもいいような仕事(上司の班長の言葉)」を与えるという嫌がらせを仕掛けました。それだけでなく、朝会には参加させない、社内報は渡さない、掲示板を見ていたらひっくり返すなど、筆舌にしがたい嫌がらせを続けた挙げ句、僅か6ヶ月間足らずで吉岡さんを解雇しました。 「会社にタテを突く労働者はこうなるのだ」という、松下プラズマによる見せしめは、現代の「さらし首」と言わざるを得ません。 私たち全国一般東京東部労働組合は、吉岡力さんとは上部団体や所属する労働組合などで一切のつながりはありません。しかし、松下プラズマによるこのような蛮行を見過ごす訳には行きません。私たちは、松下プラズマによる人権侵害と闘う吉岡力さんを支援するため、下記について決議します。
大阪高等裁判所4月25日松下PDP事件判決への支持を表明します。また、現在、私たちが家庭で観ているテレビは、2011年7月までに地上デジタル波放送へ切り替わるため、多くの組合員の家庭でテレビを買い替える需要が発生します。今後、労働者への人権侵害を続ける松下プラズマディスプレイに抗議する立場から、吉岡力さんへの不当解雇が撤回されるまでの間、松下プラズマディスプレイが生産するテレビ(パナソニック製品)の不買運動を行います。 この大阪高裁PDP事件判決への支持表明と不買運動を、全国の仲間にも呼びかけます。
2008年6月3日 全国一般東京東部労組 執行委員会