府労働委員会の和解勧告を、現NOVA=ジー社と労組が受諾。ジー社「全員雇用不履行」謝罪。元NOVA全講師に再雇用よびかけ

Jun 10, 2008

現NOVA【ジーエデュケーション&ジーコミュニケーション社】が NOVA講師の「雇用が実現していない事を」を謝罪 元NOVA全講師へ再雇用をよびかけ。労組に協力依頼

A=ジー両社は「希望する教職員の全員雇用」が、現段階で実現できていない事について、離職や帰国を余儀なくされた皆さんに、遺憾の意を表明する。 B=講師不足の地域の事態に対応するため、組合は講師の紹介の協力を行なう。 C=ジーエデュケーションは、元NOVA講師で、現在のNOVA校で就労していない全講師に、再雇用をよびかける。組合はこの募集と雇用に協力する。 D=ジーエデュケーションは、「1年単位更新・社会保険加入可能」などの新たな雇用契約を用意する。現在就労中の講師の契約も、原則更新する。 E=ジーエデュケーションは、受講機会と雇用機会を増やすために、関西・首都圏など都心での開校や、英語のみならず、各国語コースを拡充する。 F=ノヴァの事業継承の実質的運営基盤である、ジー両社は、今後とも、組合との誠実な団体交渉を行ない、労基法・労組法など諸法令の遵守に努める。

NOVA教職員らが加盟する労組=ゼネラルユニオンとしてのコメント

 全員雇用を条件にNOVAの譲渡を受けたジー社が、Xマスの800名首切り以降、社会問題化した「現NOVA問題」であるが、講師達も、ジー社や、地裁・経産省に翻弄され、帰国や転職を強いられてきた。だが皮肉にもリストラ過剰で、講師不足のNOVA校が続発し始めた。  そこで、ジー両社はこれらの非を認め、法遵守を誓うと共に、「これまで首切りされた者を含むすべての元NOVA講師の再雇用」を決断。講師を組織する労組への協力依頼を行なった。異例だが、これが職場復帰実現を意味し、社会保険や更新約束を含む雇用契約が初めて用意された事をも評価し、ユニオンも、和解協定の受諾を決定した。


和解協定書 全文

 申立人ゼネラルユニオン(以下「組合」という。)と、被申立人株式会社ジー・コミュニケーション(以下「コミュニケーション」という。)及び、同株式会社ジー・エデュケーション(以下「エデュケーション」という。)の間の、大阪府労働員会平成20年(不)第14号事件(以下「本件申立て」という。)について、下記のとおり合意をみたので、ここに本協定書を作成し、双方誠実に履行することを確約する。

1. エデュケーションとコミュニケーションは、申立外株式会社ノヴァ(以下「ノヴァ」という。)の事業継承に当たり、「希望する教職員の全員雇用」が、現段階で完全には実現できていないことについて、雇用に至らず離職や帰国を余儀なくされた皆さんに対し、遺憾の意を表明する。 2. 現在、一部地域で、ノヴァ校の講師が不足し始めている事態に対応するため、組合は、必要に応じ、講師の紹介などでの協力を行う。 3. エデュケーションは、これまでの元ノヴァ講師で、現在のノヴァ校で就労していない講師を対象に、エデュケーションへの雇用を呼びかけるものとする。特に講師の不足地域への転勤に応じていただける元ノヴァ講師については最優先で配属するものとし、順次面接を経て採用された講師より該当地域に配属するものとするが、不足地域以外であっても希望があれば、一旦雇用希望登録されるものとする。採用の際の条件は原則従来の待遇を下回らないものとして雇用されるものとする。組合は、この募集と雇用に協力する。 4. 再雇用を希望しない講師に対し、エデュケーションは、「勤務態度不良講師の更新をしなかった。」との誤解を生んでいる過日のプレスリリースを是正すべく、講師から要望があれば推薦状発行などにより、可能な限り転職への協力を行なう。また、本人からの申出があれば、「会社都合理由」の離職票を交付する。 5. 前記3の再雇用者を対象に、エデュケーションは、新たな雇用契約を用意する。この契約は、エデュケーションの会社の状況及び当該講師の状況を踏まえ、それぞれの就労場所・就労状況に応じてエデュケーションが契約タイプを決定する。なおその際には「社会保険加入可能な契約タイプ」も用意するものとする。なお契約期間は1年間とする。  また現在就労中の講師に関しても現在の契約期間終了後、原則として、就業態度不良等の特段の事情のない限り、更新を約束するものとする。その際にはエデュケーションとの新たな雇用契約を締結し契約期間は1年間とする。 6. エデュケーションは、受講機会と雇用機会を増やすためにも、関西・首都圏などの都心での開校や、英語のみならず、各国語コースの拡充などに努力を続ける。 7. ノヴァの事業継承の実質的な運営基盤であるエデュケーションとコミュニケーションは、今後とも組合と誠実な団体交渉を行い、労働基準法、労働組合法などの諸法令の遵守に努める。 8. 組合は、本件申立てを取り下げる。 2008年6月10日

申立人 ゼネラルユニオン 委員長 山原 克二 被申立人 株式会社ジー・コミュニケーション 代表取締役 稲吉 正樹  同代理人 石井 寧 被申立人 株式会社ジー・エデュケーション 代表取締役 小野 尚 同代理人  坂本 大樹

以上、確認する。

大阪府労働委員会 審査委員 大野 潤 参与委員 岩佐 敏明 参与委員 山本 文彦

新旧NOVA【ジー社】問題 これまでの経過

一時帰国800名クビ後も、就労中講師へ更新拒否。新旧NOVA「講師・生徒使い捨て」との闘いの記録。 稲吉会長と管財人の記者会見=「希望者全員雇用」は、地裁と両社の基本協定。だが、雇用移管直後から現在まで、千名もの、講師の解雇と更新拒否が連続  会社更生法という形で08年10月に倒産したNOVAについて、大阪地裁が「ジーコミュニケーション」をスポンサーに、その100%子会社の「ジーエデュケーション」を事業継承会社に決定した。地裁認可の企業譲渡条件は「希望するNOVA教職員の原則全員再雇用」「被害者である生徒さんの75%割引での入学」などであった。  これまでのゼネラルユニオン主催の公開説明会に続き、地裁ー保全管理人とジー社も従業員説明会を開催。ここでジーコムの稲吉会長も「200校で全員雇用、開校が間に合わず待機でも給与を払う」と宣言し大きく報道された。これを受けてNOVAは破産に移行し、11月末をもって全員解雇となり、従業員身分がジー社に移行した。 Xマス帰国中の講師・家族のもとへ「800名解雇メール」が 復職も始まっていたが、開校待ちのグループは年末年始が自宅待機で、1月10日からの就労再開決定組であった。会社は、それらの講師たちに「休業手当として15万円払うので、Xマスに一時帰国したら」と勧め、大勢が応じていた。しかし何と、帰国中の800名に12月21日「雇用取消」のメールが一斉に届いたのだ。これらは基本合意協定違反のだまし撃ちであり、労組だけでなく、受講生や地裁への挑戦ともいえる信じられない豹変であった。  今回の「再雇用」に、面接もあったのだが、今回の大量首切りの対象者は、雇用手続きが完了のうえ、就労日も確定し待機中の講師であった。会社も手当まで支払済で、「内定取消」とも言えない。このケースは、合理的理由の必要な「解雇法理適用」そのものであり、Xマスが指名解雇の理由になるハズもない。もちろん「整理解雇4用件」などカケラも守っていなかった。  消費者との連帯で、ユニオンも結成に尽力した「NOVA生徒の会」も活動を全面展開し、今回のジー社問題にも、労組と共に「緊急声明」を発表した。1月7日以降、」と拒否した。【この不当労働行為を、ユニオンが府労委に申立て、今回の和解でようやく、「誠実な団交」を約束させられる結果となった】  1月から再再解雇が再び始まり、何度も翻弄された。ハローワークにも講師が殺到、「1か月に2回も解雇なんて許せない。ジー社はなぜ、会社都合の離職票さえ発行しないのか」、と、怒りをあらわにしている。 ジー社がNOVA幹部を採用。ジー社も「労組役員のみ不採用」を続けている。  ジー社が「面接で落とす」などの事例は少ないケースであったのだが、この不採用対象となったのは、ことごとく、遅配などで猿橋を糾弾したテレビと新聞に登場した労組役員ばかりであった。これは明らかに、労組員差別であり、労組法違反であった。これはジーコムの団交拒否や、稲吉会長の労組中傷文書も合わせ、不当労働行為で、府労働委員会への提訴となった。【その後、今回の和解で「すべての元講師に雇用をよびかける」合意が実現し、解決をみた】 就労中・待機中の講師の、契約更新拒否まで発生 だが、ホッとしたのもつかの間、今年に入って、就労済の講師も、以前のNOVAの1年契約の「残存月だけでクビ」が発表された。これは、NOVA破産移行と、全員解雇【ジー社への雇用移管】で、既に失効している契約だ。再再雇用されても、わずか1−2か月で雇止め、もありうる、ヒドイ解釈である。   約束した開校が少なく、おまけにコストのかかる東京・大阪の都心や、英語以外の多言語コースはほとんどない。優遇、と言っても、物理的に受講できず、生徒が少ない。そうなれば講師を解雇する、という悪循環である。  「雇用契約拒否」「お茶の間留学の海外移転」などは、地裁とNOVAとジー・コミュニケーションが合意した基本協定の根幹である。この明らかな債務不履行は前代未聞であり、地裁など当局の動向も注目される。しかも、ゼネラルユニオンと、全国一般東京南部の「NOVA相談センター」は「ジー社相談センター」と化し、苦情や相談が今も続いている。「NOVA生徒の会」・マスコミ・語学業界・大使館・行政のすべてが、今後とも注目をしていくだろう。

以上
 
 

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