雇用の安定=無期雇用への転換と文科省からの2通のメール

まだ知らない方もおられるかも知れないが、2013年4月に「労働契約法」が変わり、「有期契約を反復して雇用期間が通算5年を超えると、労働者の申し入れによって有期契約が無期契約に転換できる」ことになった。つまり、2018年4月1日時点で複数回の有期契約によって雇用期間が通算5年を超えた労働者は、会社に申し込めば無期雇用になるのだ。

 

節目となる来年の4月を巡って、既に全国のあちこちでせめぎあいが始まっている。無期雇用を避けたい経営者達が「2018年3月31日で契約終了」をやり始めている。1年契約の労働者に「2017年4月からの契約が最後で、2018年度は契約しない」という通告することが計画、あるいは実行されて始めているのだ。

 

改変の趣旨からすれば、これは「脱法行為」である。だが、そんなことはお構いなしの経営者は珍しくない。法の趣旨を生かして雇用を安定させるためには、重要な時期にわれわれはある。

 

こんな中、昨年12月に、文部科学省は全国の国立大学に2通のメールを送った。「無期雇用への転換を避ける目的での雇い止めはよくない」という趣旨である。直接は文部科学省が管轄下の国立大学に送ったものだが、法の趣旨からすれば、これは官民を問わず、あらゆる職場に関係する内容である。

 

雇用の安定実現のために、各職場で効果的に利用されるように希望する。

 

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2016/12/09

 

各国立大学法人

大学共同利用機関法人人事担当課長殿

文部科学省大臣官房人事課計画調整班

 

貴学における無期転換ルールへの対応の検討に関する再周知のお願い及び無期転換ルールへの対応状況に潤する調査について(依頼)

 

 平素よりお世話になっております。

 さて、改正労働契約法に基づく、有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約に転換できるルール(無期転換ルール)については、平成25年4月1日に施行され、平成30年4月1日に施行後5年を迎えることとなります。

 このルールに義づく無期転換の本格的な申込みが見込まれる平成30年4月1日まで残り1年半を切ったことを踏まえ、下記についてご対応をお願いいたします。

 

 

1.早急な検討のお願い

 先日、貴学における無期転換ルールへの対応の状況に係る調査にご協カいただき、法令の趣旨を踏まえ、適切にご対応いただきたい旨、2016/09/28 10:26のメールにて連絡させていただいたところです。

 各国立大学においては、今年度中に無期転換ルールへの対応方針を決定し、平成29年4月の5年目の契約更新の際には、各労働者へ対応方針を明示する必要があります。

 また、先日、自民党行政改革推進本部(本部長:河野太郎衆議院議員)からも、無期転換ルールへの対応については、平成29年4月の5年目の契約更新に際して重要な要素であることを踏まえ、早急に、大学が各労働者に、その方針を示すべきであるというお話がありました。

 つきましては、多くの大学が今年度中に対応を検討していると聞いておりますが、無期転換の申込みが本格化する見込みの平成30年4月1日に向けて、改めて、対応方針の検討が遅れている国立大学におかれましては、平成29年4月の5年目の契約更新時に各労働者に明示できるよう、早急に無期転換ルールへの対応方針をご検討いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 なお、厚生労働省が行っている、独立行政法人等における無期転換ルールへの対応状況に関する調査や、無期転換ルールの概要・厚生労働省の支援策・積極的な取り組みを進める民間企業における無期転換ルールへの対応事例等をまとめた「無期転換の準備、進めていますか?~有期契約労働者の円滑な無期転換のためのハンドブック~」、全国で労働契約法等解説セミナーを開催等を参考までに送付しますので、ご参照いただければ幸いです。

 

2.対応状況の調査のお願い

 あわせて、貴学の無期転換ルールへの対応状況について把握させていただきたく、別紙:調査票を作成いただき、平成28年12月15日(木)15時までに下記連絡先宛に電子メールにてご提出ください。

 なお、本調査については、結果を当省において取りまとめ、必要に応じて報告等に使用させていただく場合がありますので、あらかじめご了承ください。

 ご多忙のところ誠に恐れ入りますが、ご協力のほど、何とぞよろしくお願い申し上げます。

※国立研究開発法人等における研究者及び教員等については、研究開発能力の強化及び教育研究の活性化等の観点から、無期転換申込権発生までの期間について、原則5年であるところ10年とする特例が設けられ、平成26年4月1白から施行されております

(詳細については、下記URLを御参照ください)

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakumtsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/

 

3.通算5年到来前の雇止めについて

 これまでも、厚生労働省より、通算5年到来前の雇止めについては、その必要性を十分慎重に検討の上、ご対応いただきたい旨、周知がありました。

 また、労働契約法は民事法規であり、民事上適切かどうかは個々の事案ごとに最終的には司法において判断されるものではありますが、現在、開催されている臨時国会の審議における厚生労働省の答弁として、

・無期転換を避けることを目的として無期転換申込権が発生する前に雇い止めをすることは、労働契約法の趣旨に照らして望ましいとは言えない。

・無期転換ルールを免れる目的で雇い止めをしているような事案を把握した場合は、都道府県労働局においてしっかりと啓発指導に取り組む。

と回答されております。

 通算5年到来前の雇止めについては、個々の事案において、その必要性等について、各国立大学法人に説明責任が生じてくるところかと思いますので、都道府県労働局と相談の上、適切にご対応いただくきますよう、よろしくお願いいたします。

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2016/12/21

 

各国立大学法人

各大学共同利用機関法人 人事担当課長 殿 

文部科学省大臣官房人事課計画調整班

 

 貴学における無期転換ルールへの対応の検討に関する再周知のお願い及び無期転換ルールへの対応状況に関する調査について(御礼)

 

 平素よりお世話になっております。

 このたびは、標記の調査に御協力いただきましてありがとうございました。

 現在、ご提出いただいた調査結果を精査しているところですが、未だ対応方針が決まっていない大学につきましては今年度中に無期転換ルールへの対応方針を決定し、平成29年4月の5年目の契約更新の際には、全労働者へ対応方針を開示する必要があるかと思いますので、早急にご対応いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 また、通算5年を超える更新を認めるという対応方針を決定している又は通算5年を超える更新を認めるという方向で対応方針を検討中であるという大学におかれましては、無期転換ルールへの対応を実施するにあたっては、先日のメールでも周知させていただきましたが、

 ○厚労省が開設している無期転換ポータルサイト

 ○厚生労働省委託事業 労働契約法等解説セミナー

 ○無期転換ルールの導入手順やポイントをまとめた、別添「無期転換の準備、進めていますか?

  ~有期契約労働者の円滑な無期転換のためのハンドブック~」

などをご参考の上、それぞれの大学の実情に応じて、法の趣旨を踏まえ、適切にご対応いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 なお、繰り返しになりますが、雇止めについては、個々の事案において、その必要性等について、各国立大学法人に説明責任が生じてくるところかと思いますので、都道府県労働局と相談の上、適切にご対応いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 ご提出いただきました調査票につきましては現在、当方において精査しているところでございます。

 今後、各国立大学法人へ詳細な点についてご質問させていただくことがあるかもしれませんので、引き続きご協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。

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