大阪市立大学が講師の外注を計画 組合は黙認しない

今年(2016年)3月、大阪市住吉区にある大阪市立大学に勤務している16人の非常勤講師は、新しい契約書へのサインを求められた。その契約書にはこっそりと、それまでの契約書にはなかった新しい条項が入れられていた。その条項には、「この契約は本大学との最後の雇用契約となる」と書かれていたのだ。



多くの講師はその契約書にサインした。契約書は日本語のだったので、どう見ても以前の契約書と同じであるように見え、この新たな「最終契約」条項が含まれているとは気付かなかったからだ。

加えて、大学側はこの新しく加わった条項について口頭での説明も行わなかった。恐らく、講師達がそれに気づかないことを願っていたからであろう。

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だが、結局数人の講師がこの契約書の変更に気付いた。

新学期が始まった時にこの新しい条項について質問した講師達は「カリキュラムが変わる」と聞かされた。「2017年以降、非常勤講師については民間会社からの外注にすることを考えており、今後もこれまでの仕事を続けてこの大学で授業を行うことを希望するのであればECCやベルリッツのような会社に移る必要があるかも知れない」と言うのである。

講師の中には20年以上大阪市立大学で働いてきた者も数人おり、この人々は当然ショックを受けた。そして、「長年に渡って一所懸命働き仕事に力を注いできたのに、その結果がこんなだまし討ちとは」と怒った。

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当然の成り行きとして、この知らせを耳にした講師達はゼネラルユニオンに接近し、状況を知らせ、その大部分が速やかに組合に加入することとなった。

こうした状況に対して、ゼネラルユニオンは直ちに大阪市立大学に連絡し、この問題に関する非公式の交渉を行うこととした。

交渉の中で、大学側は講師達が組合に報告していたことは事実であることを認めた。講師達の派遣を民間会社に外注することにして、大阪市立大学で働き続けることを希望する講師は委託契約を受け入れる以外にない(それも、派遣会社の社員として)ようにすることを本気で考えていたのである。

大学側はこの計画の正当性をこう説明した。「我孫子(大阪市中心部から車で約20分、四ツ橋駅から地下鉄で30分の大阪市南部にある)は大阪市中心部から遠く、そのために講師を確保するのが困難だ」と。

この奇異な言い分は笑うしかない、およそ信じがたいシロモノだと我々は受け取った。こう言えば十分だろう。

ゼネラルユニオン組合員は即座に、委託はその適法性に疑義があるものであること、また、こうした契約は、講師が授業で行うことについて大学は指揮・命令ができず民間派遣会社への指導の多くを放棄することになり、大学に多くの問題をもたらすものである、と指摘した。

大学側によれば、この件に関する最終決定は今年9月か10月までには行うということである。

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また、講師達に年度開始時に渡された契約書は、1学期のみを対象とした半年契約であった。だが、これとは矛盾して、彼等はすでに、2学期のスケジュールも渡されていたのだ。

ゼネラルユニオンは、これら全てが明白に法的には虚構であると述べた。最終決定はまだなされていなかったのだから、誰に関しても実際には契約書は更新可能なものでなければならなかったことは明らかだった。

我々は大阪市立大学に対して、この不可解な契約書を撤回し、講師達には2016年まで普通に使用されてきた更新可能な契約書を講師達の期待に沿って提示することを要求した。

大学側はこの要求について「考慮する」と答え、そしてその後、ゼネラルユニオンへの文書での回答で我々の要求を全面的に受け入れる、と伝えてきた。

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この半年契約の撤回とこれまで通りの更新可能な契約書の提示は、ゼネラルユニオンとこの大学の講師達にとっては細やかだが重要な勝利である。

だが大阪市立大学は、将来は講師達の仕事を民間会社に外注するというとんでもない考えを放棄することについてまだ同意したわけではない。

だから、組合が大学側への圧力を堅持し、講師達の収入と暮らし、そして安定した仕事の確保のために、この怪しげな計画と全力で闘うことは当然のことである。

大阪市立大学のモットーは「創造性、友情、柔軟性」である。これらの言葉を現実のものにする人達にこそ、このモットーはふさわしい。

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